セラミックコンデンサのFAQ

特性

セラミックコンデンサは直流電圧を印加するとなぜ静電容量が変化するのでしょうか?

セラミックコンデンサには、静電容量という単位(ファラッド[F])がございます。
コンデンサがどれだけの電荷を蓄えることが出来るかを表し、品名の中に"公称値"として記載してあるケースが多いです。

セラミックコンデンサの中でも高誘電率系に分類されるコンデンサ(B/X5R特性やR/X7R特性)につきましては、直流電圧を印加することによってその静電容量が公称値よりも変化する場合がございますのでご注意ください。

例えば、グラフに示しますように、高誘電率系コンデンサに印加される直流電圧が大きくなればなるほど、その実効的な静電容量は低下します。
*以下グラフは、横軸をコンデンサに印加する直流電圧(V)、縦軸に初期値に対する静電容量変化率を示したものです。

このように、印加される電圧によって、その静電容量が変化する特性を「DC(直流)バイアス特性」と呼びます。


*製品によってその容量変化率は異なります。

上記を踏まえまして、高誘電率系コンデンサを使用される場合は、その特性を十分に考慮頂き、実使用条件、および実機にて使用可否を十分にご確認下さい。

尚、DC バイアス特性につきましては、弊社製品に限ったものではなく、高誘電率系コンデンサ全般に見られる現象です。
温度特性やDCバイアス特性、AC電圧特性、インピーダンスなどの主要なデータが設計支援ツール"Simsurfing"でご確認いただけます。


※設計支援ツールでは、高誘電率系セラミックコンデンサのDCバイアス電圧 / 温度に応じた特性データの表示、ダウンロード機能を提供しています。

DC バイアス特性のメカニズムについての詳細は、以下をご参照ください。


DC バイアス特性のメカニズムについて

セラミックコンデンサの中でも高誘電率系コンデンサは、現在主にBaTiO3(チタン酸バリウム)を主成分とした誘電体が使用されています。 
BaTiO3 は下図に示すようにペロブスカイト(perovskite)形の結晶構造を持ち、キュリー温度以上では立方晶系(cubic)で、Ba2+イオンは頂点に、O2-イオンは面心に、Ti4+イオンは体心の位置にあります。

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これがキュリー温度(約125℃)以上では立方晶系(cubic)の結晶構造ですが、それ以下の常温領域では一つの軸(C軸)が伸び、他の軸がわずかに縮んで正方晶系(tetragonal)の結晶構造となります。

この際、Ti4+イオンが結晶単位の伸びた軸方向にずれた結果として分極が生じますが、この分極は、外部から電界や圧力を加えなくても生じているもので、自発分極(spontaneous polarization)といいます。 
このように、自発分極を持ち、自発分極の向きを外部電界によって反転させることのできる性質を特に強誘電性(ferroelectricity)と呼んでいます。

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単位体積あたりの自発分極の反転に相当するのが比誘電率であり、これが静電容量として観測されます。 
直流電圧印加無しでは、自発分極がフリーな状態となっていますが、外部から直流電圧を印加することによって、誘電体中の自発分極が電界の方向に束縛されるため、自発分極の自由な反転がしにくくなります。 
その結果、得られる静電容量はバイアスを印加する前に比べて低くなります。

これが直流電圧を印加すると静電容量が低下するメカニズムです。

尚、温度補償用のコンデンサ(CH、C0G特性など)につきましては、常誘電性セラミックを主原料としており、直流電圧特性により静電容量も変化しません。

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