セラロックは大きく分けてkHz帯とMHz帯の2種類のシリーズがあります。これらは振動モードにより区別されていますが、どのセラロックでもメインの振動とは異なった振動 (寄生振動) を持っており、この寄生振動での発振がスプリアス発振となります。この寄生振動の様子は HP4294 (Agilent Technologies社製) の様なインピーダンス・アナライザを使用して確認することができます。
一般にどの様な発振子でも奇数次のオーバートーン振動をもっていますが、CSTCW/CSACW-Xシリーズ(*1)など元々3倍波のオーバートーンを使用している発振子以外は、ほとんどの場合オーバートーンによるスプリアス発振は見られません。
オーバートーンによるスプリアス発振は、発振している周波数で確認できます。目的の周波数のほぼ3倍の周波数で発振していれば、3倍波のオーバートーンでスプリアス発振していることになります。CSTCW/CSACW-Xシリーズなどは、3倍波が目的の発振周波数となるため、スプリアス発振としては基本波 (1/3周波) や5倍波 (5/3周波) の振動によるものが考えられます。
*1) CSTCW/CSACWシリーズ
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