発振回路によっては回路だけで発振することがあります。セラロックのスプリアス発振と区別するにはその周波数を周波数カウンターでよみ、スプリアスの振動モードと同じかどうか、あるいは、電源電圧を変化させ、周波数が大きく変わるかどうか (±1%以上) 等で判断します。よくみられる異常発振の例を下表に示します。
発振名 |
原因 |
CR発振 |
ICのゲインが高く、セラロックの静電容量: Cfや負荷容量: CLと、ICの内部抵抗: Rで発振する。
電源電圧を変えると周波数が変化する。 |
LC発振 |
Cのゲインが高く、配線の持つコンダクタンス: Cやインダクタンス: Lで発振する (10MHz以上が多い)。
配線を変えると周波数が変化する。 |
リング発振 |
多段インバータタイプのICにおいて、時定数のずれで発振する (10MHz以上が多い)。 |
異常発振有無の確認
異常発振するかどうかつぎのようにして確認します。
A.発振立ち上がり時間の測定において電源電圧を変化させたり回路定数を変化させたりする。
異常があると発振開始直後に立ち上がり波形の乱れがみられます。
B.電源をON ⇔ OFFさせる。
ONにすると異常発振します。
C.電源電圧を0Vからゆっくりあげていく。
CSTCW/CSACW_Xシリーズ(*1)などの3倍波のオーバートーンを使用した発振子に有効で、電圧が低いときは基本波から発振がはじまり、使用電圧に達しても基本波のままのときがあります。
D.フリーザで冷やしたり、ドライヤーで温めたりする。
冷やしている途中や温めている途中で異常発振が発生し易くなります。
*1) CSTCW/CSACWシリーズ
生産中止品の製品です。新規のご採用は控えていただきますようお願いします。