放電ギャップ方式のESD保護デバイスは、放電部である電極間のギャップを狭くすることにより、低電圧でのESD保護動作を行うことが可能となります。しかし一方で、ギャップが狭くなるにつれて高電圧(接触8kV)の繰り返しの印加に対する絶縁耐性が低下するという課題がありました。
そこで当社は、構造と材料を全面的に見直すとともに独自の放電部設計技術とセラミック多層技術を組み合わせることにより、低電圧でのESD保護動作(IEC61000-4-2のレベル1)とESDの繰り返しの印加に対する絶縁耐性の両立を実現しました。さらにESD保護性能を20%以上改善することにも成功いたしました。
当製品は、シリコンTVS方式
*2のESD保護デバイスでは実現できない超低容量(0.05pF)でシリコンTVS方式と同等レベルのESD保護性能を実現することにより、アンテナ端子や高速信号ラインに加えて、外部インターフェイス、オーディオラインなどさらに多くの用途にご使用いただくことができます。
*2シリコンTVS方式…半導体を用いた設計されたESD保護デバイス。TVSはTransient Voltage Suppressorの略。
電子機器のインターフェイス部のESD保護(電源ライン、車載などの高信頼性市場用途を除く)
- NFC、GPS、Wi-Fi、LTE、GSMなどのアンテナ端子
- USB、HDMIなどの高速信号ライン
- タッチパネル、モニター、ボタン、スイッチなどの外部インターフェイス
- SDカード、SIMなどのカード類
- スピーカー、マイクなどのオーディオライン
- MIPI*3ラインやコネクター端子部周辺など(組み立て加工時のESD対策)
*3 MIPI(Mobile Industry Processor Interface)…MIPI Allianceが策定するモバイル機器のカメラやディスプレイとのインターフェイス規格。
LXES15AAA1-153(1005サイズ)
LXES03AAA1-154(0603サイズ)
特性図
±8Kv接触放電時のESD波形
新製品:LXES15AAA1-153 従来品:LXES15AAA1-117
新製品:LXES03AAA1-154 従来品:LXXES03AAA1-098
電気的性能
項目 |
LXES15AAA1-153/LXES03AAA1-154
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定格 |
定格電圧(Vdc)
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4V
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動作温度(Toc)
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-40~85℃
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保管温度(Tsto)
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-40~85℃
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電気的特性
(Ta=25℃)
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端子間容量
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0.05pF(Typ)
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1MHz、Vbias0V
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IEC61000-4-2
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気中/接触 ±15KV
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村田製作所はセラミックスをベースとした電子部品の開発・生産・販売を行っている世界的な総合電子部品メーカーです。独自に開発、蓄積している材料開発、プロセス開発、商品設計、生産技術、それらをサポートするソフトウェアや分析・評価などの技術基盤で独創的な製品を創出し、エレクトロニクス社会の発展に貢献していきます。
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