メトロサーク™で使用している高機能樹脂(液晶ポリマー)は、従来の樹脂材料に比べて比誘電率と誘電正接が小さいものを用いています。また、メトロサーク™で使用している多層積層技術は、通常の樹脂多層基板とは異なり、層と層の間で接着剤を必要としない一括積層技術を用いています。
これら2つの特徴および技術を用いることで、メトロサーク™は高周波領域での損失が小さい基板、部品を実現しています。高周波領域で損失が小さいことは、昨今の高速化が進むデジタル伝送において求められる特性のひとつです。
こちらのグラフは、メトロサーク™の伝送線路とFPCの伝送線路の損失を比較しています。
このように、メトロサーク™は低損失な製品を実現できるため、お客様の製品の低消費電力化、通信性能向上に寄与します。さらに、従来の樹脂基板と比較して細密に電極パターンを形成することが可能です。また、層間に接着剤を使用しないことによる厚みバラツキ低減に加えて、細密な電極パターンの形成により、高周波領域や高速デジタル伝送で重要となるインピーダンスコントロールを精度よく行うことができます。
メトロサーク™は、レーザーカットによる切り出し、3次元の曲げ加工とその形状保持が可能であり、複雑な2次元、3次元の形状を持つ製品を生み出すことができます。
メトロサーク™は、多層積層技術に一括プレス(積層)を採用しており、これによって高密度で薄い多層基板の製作を実現しています。
これらの特徴を融合させることで高密度で薄い多層基板を実現し、お客様の製品内部の設計自由度向上/省スペース化に貢献します。
メトロサーク™は従来の樹脂基板(ガラエポ基板、FR-4基板、FPCなど)と比較して吸水/吸湿率の低い樹脂材料を使用しています。さらに、層と層の接着に接着剤を必要としないため、耐水性/耐汗性能が高く、高信頼性の製品を実現しています。
こちらのグラフは、メトロサーク™を用いたアンテナと従来のFPCを用いたアンテナのそれぞれで実施した高温高湿試験前後の共振周波数の変化を示しています。この結果から、メトロサーク™の方が従来のFPCよりも特性が非常に安定していることが確認できます。このような特性は、アンテナのような共振する機構を持つ製品では重要なパラメータのひとつです。