株式会社村田製作所(以下、「当社」)は、スマートフォンをはじめとするさまざまな電子機器での採用が進む0603Mサイズ(0.6×0.3mm)において最大の静電容量となる10µFの積層セラミックコンデンサ(以下、「当製品」)を開発し、世界で初めて※1量産を開始しました。最高使用温度85°Cで定格電圧4Vdcの「GRM035R60G106M」はすでに量産を開始しています。加えて、最高使用温度105°Cで定格電圧2.5Vdcの「GRM035C80E106M」※2は2023年9月までの、最高使用温度85°Cで定格電圧6.3Vdcの「GRM035R60J106M」※2は2024年の量産開始を予定しています。
5Gに対応したスマートフォンの普及やウェアラブル端末をはじめとする電子機器の多機能化・小型化にともない、電子回路についてもさらなる小型化・高密度化が求められます。積層セラミックコンデンサは、電子機器に欠かせない部品としてスマートフォンやウェアラブル端末などに数多く使用されており、中でもハイエンドスマートフォンには約900~1,100個搭載されているなど、小型化・大容量化のニーズが高まっています。とくに、静電容量が10µFの積層セラミックコンデンサは、現在さまざまな機器で数多く使用されています。また、サーバやデータセンターにおいては、その性能向上にともない、積層セラミックコンデンサにおける高温保証対応も同時に必要とされます。
当社は、独自のセラミック素子および内部電極の薄層化技術の確立により、10µFの静電容量を持つ当社従来品(1005Mサイズ)に比べ、実装面積比で約65%の小型化を実現しました。また、同サイズ(0603Mサイズ)の従来品※3と比べ、約2.1倍の大容量化となります。
当社は、今後も積層セラミックコンデンサの小型化や静電容量の拡大、高温保証対応を進め、市場ニーズに対応したラインアップ拡充に取り組み、電子機器の小型化・高性能化・多機能化に貢献していきます。また、電子部品の小型化により、部資材削減や当社工場の使用電力量削減などの環境負荷低減にも貢献していきます。
村田製作所はセラミックスをベースとした電子部品の開発・生産・販売を行っている世界的な総合電子部品メーカーです。独自に開発、蓄積している材料開発、プロセス開発、商品設計、生産技術、それらをサポートするソフトウェアや分析・評価などの技術基盤で独創的な製品を創出し、エレクトロニクス社会の発展に貢献していきます。
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