株式会社村田製作所(以下、「当社」)は、加速度センサとBluetooth® Low Energyを搭載した世界最小サイズ※1のUWB※2通信モジュール「Type 2AB」(以下、「本製品」)を開発しました。本製品には、Qorvo,inc.(以下、「Qorvo社」)のUWBのICとNordic Semiconductor(以下、「Nordic社」)のBluetooth Low EnergyのSoC※3を搭載しています。2021年12月以降の量産開始を予定しています。
スマートシティやスマートファクトリーなどの実現に向けて、人やモノの位置情報を検出するために、Wi-Fi™やBluetooth、GPSなどの無線通信技術が使われていますが、より高精度に位置情報検出が可能なUWB通信方式が近年注目されています。UWB通信方式では、非常に広い周波数帯域を使用し、障害物による影響が少ないので、従来の無線通信技術では実現が難しかった数cmレベルの高精度な位置情報を検出できます。また、電波妨害にも強く安定的な通信ができるため、非接触決済システムなどにも利用可能です。
本製品は、これまでの当社のWi-FiやBluetoothモジュール製品の開発で培った高周波設計技術や独自の高密度実装技術と樹脂封止技術をベースに、UWB通信とBluetoothの市場でそれぞれ実績があるQorvo社のUWBのICとNordic社のBluetooth Low EnergyのSoCを組み合わせることで世界最小サイズのUWB通信モジュールを開発しました。
Qorvo社 UWB IoTソリューション担当 シニアディレクター Paul Costigan氏のコメント :
「Qorvo社の超広帯域テクノロジーで高性能ソリューションをサポートできることを嬉しく思います。Qorvo社は、世界的な総合電子部品メーカーである村田製作所から、このような統合モジュールに画期的な技術と生産規模への影響をもたらし、UWBの採用を加速し、イノベーションの新しい波を引き起こしています。これによって、スマートフォン、自動車、民生用および産業用のIoTアプリケーションにおいて、ビジネスの最適化を推進し、ワークフローの効率性と安全性を向上させるために、拡張された位置と距離のセンシングを簡単に追加できます。」
Nordic社 セールス&マーケティングAPAC担当副社長 BjørnÅge Brandal氏のコメント :
「この画期的なUWBモジュールは、Qorvo社とNordic社のUWBおよびBluetooth Low Energyソリューションに関する長年の協力関係に基づく高度に統合されたSiPモジュールパッケージにおける村田製作所の卓越性と完全に合致した製品であり、村田製作所と提携できることを大変喜ばしく思います。このコンパクトなモジュールは、Nordic社のnRF 52840システムオンチップの高い集積度と演算能力を完全に活用しており、ワイヤレス接続されたUWBレンジング製品を少数の外部コンポーネントのみで実装することができます。これにより、省スペースと低消費電力を実現します。」
当社は、今後も市場ニーズに対応した製品開発に取り組み、スマートシティやスマートファクトリーなどの実現に貢献していきます。
村田製作所はセラミックスをベースとした電子部品の開発・生産・販売を行っている世界的な総合電子部品メーカーです。独自に開発、蓄積している材料開発、プロセス開発、商品設計、生産技術、それらをサポートするソフトウェアや分析・評価などの技術基盤で独創的な製品を創出し、エレクトロニクス社会の発展に貢献していきます。
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