スマートフォン無線回路でのインピーダンス整合に適した双方向カプラースイッチデバイスの商品化

  • カプラ

2017/01/23

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要旨

株式会社村田製作所は、スマートフォン機器向けの双方向カプラースイッチデバイスを開発いたしました。当製品は村田独自の高周波回路設計技術、高精度製造技術を基に世界最小のサイズ(1.1×0.7mm)にて優れた電気的特性を実現しております。スマートフォンのアンテナインピーダンスの整合を目的とした用途に適しており、外部にインピーダンス調整回路、制御回路と組み合わせる事によりクローズ・ド・ループでのアンテナインピーダンス整合機能の実現が可能となります。2017年上期の量産化を予定しています。


背景

スマートフォン機器では近年LTE Carrier Aggregationのバンド組み合わせ複雑化、MIMOアンテナシステムの導入が進んでいます。各アンテナに許容される設計面積は減少しながらも広い周波数帯域にて高いアンテナ放射特性が求められ、アンテナの設計に要求される技術的難易度は上がっています。これを解決する手法としてアンテナインピーダンス整合機能の検討が進んでいます。クローズ・ド・ループ構成による自動制御型のインピーダンス整合機能は一つの解決策であり、この機能を実現するには双方向カプラーとRFスイッチを用いることによる高精度なインピーダンスの検知が有効な手段となっています。

当社では独自のIPD (Integrate Passive Device)の高周波設計技術及び、高精度製造技術にて世界最小サイズでの双方向カプラーとRFスイッチ機能部分の一体化を実現しました。LTEスマートフォンにて使用される全ての周波数帯域699~2690MHzにて、当機能部品に要求される優れた電気的特性を達成しており、お客様の無線回路設計において省力化、簡素化に貢献することが出来ます。


特長

  • 双方向カプラーとRFスイッチ機能を一体化したデバイス
  • 超小型、低背パッケージ
  • 優れたDirectivity特性、結合度特性、挿入損失特性


用途

スマートフォンでの無線回路インピーダンス検知もしくは信号出力強度の検知に用いる


品番

XMSSJR3G0BA-085


外形寸法

1.1 x 0.7 x 0.55 (max) mm, 6 pin

ムラタについて

村田製作所はセラミックスをベースとした電子部品の開発・生産・販売を行っている世界的な総合電子部品メーカーです。独自に開発、蓄積している材料開発、プロセス開発、商品設計、生産技術、それらをサポートするソフトウェアや分析・評価などの技術基盤で独創的な製品を創出し、エレクトロニクス社会の発展に貢献していきます。
詳細はこちらのページをご覧ください。www.murata.com/ja-jp

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