近距離無線通信回路用チップインダクタの商品化

2017/01/25

株式会社村田製作所
代表取締役社長 村田 恒夫

要旨

株式会社村田製作所は、近距離無線通信(NFC*1:Near Field Communication)に対応したチップインダクタLQM18JNシリーズを1月から量産開始しました。

近年、スマートフォンをはじめ、NFC機能を搭載した電子機器が普及しています。NFCの通信回路は、インピーダンスマッチング*2のためにチップインダクタが使用されますが、NFCのマッチング回路では、振幅の大きな電流が流れます。このため、一般的なマッチング用インダクタでは磁気飽和*3の影響により期待通りの性能が得られないことがあります。LQM18JNシリーズは、NFCのマッチング回路に適した設計により磁気飽和の影響を受けにくくなっています。また、閉磁路構造のため、高密度実装でも周辺部品との干渉が生じにくく、NFC回路の小型化にも適しています。

特徴

  1. L:1.6×W:0.8×T:0.55mm(Typ.)の小型サイズ
  2. マッチングに適した±5%の狭偏差仕様

定格

品番 インダクタンス
Q
(以上)
自己共振周波数
(MHz以上)
定格電流
(mA)
公称値(nH)
許容差(%)
LQM18JNR10J00 100  ±5% 200 650
LQM18JNR12J00 120  ±5% 150 610
LQM18JNR16J00 160  ±5% 100 550


用途

スマートフォンなどに搭載されるNFCモジュール

品番

LQM18JNxxxx00(x部分にはインダクタンスとインダクタンス偏差を表す英数字が入ります)
詳細はLQM18JNの製品ページをご覧ください。

外形寸法図


用語説明

*1 NFC:Near Field Communicationの略で、広義にはさまざまな規格があるが、一般的に使われているのは13.56MHz帯を使用したもので、NFC対応機器同士をタッチさせることで通信が行われる。
*2 インピーダンスマッチング:無線通信回路において、信号が流れる経路の特性インピーダンスが異なる部品が接続されるとそこで信号の反射が起こり伝送される信号の電力が低下し、無線回路の感度の低下につながる。これを防ぐために特性インピーダンスが異なる部品の間に挿入して反射が起こらないようにするのがインピーダンスマッチング回路で、その作業をインピーダンスマッチングという。
*3 磁気飽和:フェライトなどの強磁性体を使ったインダクタは大きな電流が流れるとインダクタンスが低下する現象が発生する。これをインダクタの磁気飽和という。マッチング回路でインダクタの磁気飽和が発生するとインダクタンスが低下するためマッチングに必要なインダクタンスを維持することができず、マッチングの精度が低下することがある。

ムラタについて

村田製作所はセラミックスをベースとした電子部品の開発・生産・販売を行っている世界的な総合電子部品メーカーです。独自に開発、蓄積している材料開発、プロセス開発、商品設計、生産技術、それらをサポートするソフトウェアや分析・評価などの技術基盤で独創的な製品を創出し、エレクトロニクス社会の発展に貢献していきます。
詳細はこちらのページをご覧ください。www.murata.com/ja-jp