セラロックは水晶発振子よりQが低く、端子間容量も大きいために水晶発振子よりノイズ (不要輻射ノイズ) は低くなります。それでも問題になる場合、発振回路の回路定数を変更することである程度対策をとることが可能です。
よく使用される方法として、次の3つがあります。
負荷容量を大きくする
負荷容量を大きくするとローパスフィルタの効果が大きくなるので、高周波ノイズが下がります。ただし、発振周波数が若干下がり、大きくし過ぎると発振が停止します。
ダンピング抵抗 (Rd) を追加する
Rdを入れると負荷容量とのローパスフィルタの効果がさらに大きくなり、加えて、ICとセラロックのマッチングが適正になるため反射によるリンギングを抑えることができます。消費電流を抑えノイズが下がります。大きくし過ぎるとやはり発振が停止します。
負荷容量とGND間にフェライトビーズを入れる
フェライトビースを入れると高周波のゲインが低下し、ノイズ対策になります。ビーズのインダクタンスの値や損失が大きすぎると発振が停止したり、異常発振することがあります。
上記1~3のいずれのノイズ対策でもIC、セラロックにより効果が現れない場合があります。とくに3倍波のオーバートーンを使用しているセラロックの回路定数はあまり発振に余裕度がないことが多いので、充分な検討が必要です。