株式会社村田製作所(以下、「当社」)は、1.2mm以下の低背アプリケーション向けに、3.3Vinで最大10A出力可能な業界最高効率のDC-DCコンバータIC「FlexiBKTMシリーズ(PE24108、以下「当製品」)」を開発しました。すでに量産を開始しています。
近年通信インフラ市場では、ASIC/DSPの消費電流が増加し続ける一方で、コア電圧は低下傾向にあります。そのため、従来方式のDC-DCコンバータではデューティーサイクル※1が狭くなることで、変換効率の低下が著しく、入出力電位差に依存せず、高変換効率が実現できるDC-DCコンバータが求められています。
そこで当社は、独自のチャージポンプ技術※2と従来のDC-DCコンバータ回路を融合させた、革新的な回路方式の2ステージアーキテクチャにより、3.3V入力から0.5V出力の電圧変換において、ピーク効率88%、最大10Aの出力電流が可能な当製品を開発しました。
当社の革新的な2ステージアーキテクチャは、コンデンサベースの実質無損失のチャージポンプ回路が入力電圧を分割することで、デューティーサイクルの問題を解消します。さらに、この出力段に接続されるDC-DCコンバータ回路は、低耐圧FETならび薄型チップインダクタ、小型フィルター部品で構成されます。これにより、システムボード裏面への実装が可能になり、さらに低背であるにも関わらず、高効率の電圧変換を実現します。また、インターリーブ方式※3の採用により、高速伝送アプリケーションで求められる、低い入力、出力リップル※4、およびEMIノイズ特性を提供します。
パワーモジュール事業部 ローパワープロダクツ商品部 部長 三上修司は「データ通信の指数関数的な成長は、400Gおよび800G光トランシーバモジュールに代表される、通信インフラ機器の電力密度の限界を押し上げています。低背かつ高効率を提供する当製品のソリューションでは、DC-DCコンバータをメインDSP/ASICコア直下のシステムボード裏面に実装することで、プリント基板上の銅損損失とノイズピックアップを削減できます。」と述べています。
4.0 × 3.2 mmのQFNパッケージ
高密度実装が求められる光トランシーバモジュール、ネットワークインターフェイスカード、メモリカードなど
すでにサンプル提供を開始しています。
評価キットおよび量産オーダーについては、各地域の販売担当者にお問い合わせください。
村田製作所はセラミックスをベースとした電子部品の開発・生産・販売を行っている世界的な総合電子部品メーカーです。独自に開発、蓄積している材料開発、プロセス開発、商品設計、生産技術、それらをサポートするソフトウェアや分析・評価などの技術基盤で独創的な製品を創出し、エレクトロニクス社会の発展に貢献していきます。
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