株式会社村田製作所(以下、「当社」)は、業界初の分割比自動切り換え機能を内蔵したステップダウンDC-DCチャージポンプIC「FlexiCPTMシリーズ(PE25203、以下「当製品」)」を開発しました。すでに量産を開始しています。
近年ノートPC市場では、プロセッサーの消費電力が改善するにつれて、ディスプレーなどの周辺機器における電力損失の割合が増加傾向にあります。これまでディスプレー内で必要とされる駆動電圧はプロセッサーが実装されているマザーボード上で生成されていましたが、ディスプレーとマザーボード間にあるコネクタおよびケーブルで生じる銅損損失が問題となっています。そのため、ディスプレー内でバッテリー電圧から直接電圧変換が実現できる、薄型で高効率なDC-DCコンバータが求められています。
そこで当社は、バッテリー電圧に応じて自動で分割比が切り替わる機能を内蔵し、高さ1mm以下でピーク変換効率99%を実現する当製品を開発しました。
当製品は、当社独自の実質上無損失のスイッチングキャパシタアーキテクチャ※1に基づいており、3セル/2セルのバッテリー電圧を3分割または2分割し、1セル入力で構成されたシステムに対し、ピーク変換効率99%で電力を供給します。この分割比はバッテリー電圧に応じて自動で切り替わる機能を有しており、低入力電圧イベント時に後段デバイスの動作停止を防ぎます。また、インターリーブ方式※2を採用することにより、非常に低い入力および出力リップル※3性能を提供します。
パワーモジュール事業部 ローパワープロダクツ商品部 部長 三上修司は「これまでノートPC内の中間バス電圧に対しては、従来のバックコンバータ方式が採用されてきましたが、薄型、高効率要求に応えられず、電源設計者はマザーボード上に実装せざるを得ませんでした。薄型、高効率の当製品は、バッテリー電圧をディスプレー内まで持ってくることで銅損損失の大幅低減を可能とします。また分割比自動切り替え機能によって動作の安定性を向上し、皆様に快適なPC動作環境を提供します。」
ノートPC、LCDディスプレー、その他2セル/3セルバッテリーで構成されるモバイル機器
すでにサンプル提供を開始しています。
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村田製作所はセラミックスをベースとした電子部品の開発・生産・販売を行っている世界的な総合電子部品メーカーです。独自に開発、蓄積している材料開発、プロセス開発、商品設計、生産技術、それらをサポートするソフトウェアや分析・評価などの技術基盤で独創的な製品を創出し、エレクトロニクス社会の発展に貢献していきます。
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