土壌センサの間隙水EC値と1対5懸濁液法のEC値は、測定対象と測定方法が異なるため同じ値になるとは限りません。
間隙水ECは土壌中の間隙水を測定しますが、1対5懸濁液法は、所定の土壌・水比で調製した試料のECを測定します。
- 測定対象が異なる
- 土壌の希釈有無が異なる
- 固形成分の影響が異なる
- 利用目的が異なる
<要因①測定対象が異なる>
土壌センサの間隙水ECは、土壌のすき間に存在する水(間隙水)の電気伝導度を測定します。一方、1対5懸濁液法は土壌を水で希釈して作った試料全体の電気伝導度を測定するため、測定対象そのものが異なります。
<要因②土壌の希釈有無が異なる>
1対5懸濁液法では、所定の土壌・水比1対5で調製した試料のECを測定します。そのため、実際の土壌環境とは異なる状態で測定されることになり、間隙水ECとは異なる値になる場合があります。
<要因③土壌固相から抽出される成分が異なる>
土壌には間隙水中に存在する成分のほか、土壌固相に保持されている水溶性の成分があります。1対5懸濁液法では、これらの成分の一部が水中へ溶け出すため、土壌センサで測定する間隙水ECとは異なる結果になる場合があります。
<要因④利用目的が異なる>
間隙水ECは、根域近傍の間隙水中に含まれる肥料由来イオンなど、溶解イオンの状態や変化を把握するために利用されます。一方、1対5懸濁液法は所定の条件で土壌から水に抽出される電解質の状態を比較・評価するために利用されます。
土壌センサのEC値を評価する際は、土壌分析結果と単純比較しないことが重要です。測定目的に応じて評価指標を使い分けることで、灌水管理や施肥管理の検討に活用してください。
また、圃場ごとの比較や長期モニタリングを行う場合は、測定方法と測定条件を揃えて継続的に評価してください。
土壌センサのEC値と土壌分析結果が一致しない場合の原因把握や、施肥管理・土壌評価方法の選定に役立ちます。