土壌センサは、測定したい作物の根域や土壌状態を代表する位置へ設置することが重要とされます。設置台数は圃場面積ではなく、管理したい場所や把握したい課題の数を基準に決定することが重要とされます。
■設計ポイント1:まず「何を知りたいか」を決めて設置場所を選ぶ
土壌センサは、設置した場所の土壌状態を測定します。そのため、最初に「何を管理したいのか」を明確にすることが重要です。
例えば、作物の水分管理を行いたい場合は作物の根が多く存在する場所、灌水状況を確認したい場合は灌水の影響を受ける場所を測定対象にします。
目的と異なる場所へ設置すると、センサは正常に動作していても、実際の栽培状態とは異なるデータを取得してしまう可能性があります。
■設計ポイント2:測定目的に応じて代表地点または課題地点を選ぶ
圃場内の土壌状態は、見た目以上に場所によって異なります。
例えば、水が溜まりやすい場所では常に水分率が高くなりやすく、逆に日当たりが強く乾燥しやすい場所では水分率が低くなります。そのような特殊な場所に設置すると、「その場所だけの状態」を測ることになり、圃場全体の管理には適さない場合があります。
圃場全体の代表値を把握する場合は平均的な地点、乾燥・過湿などの課題を確認する場合は問題が発生する地点を選ぶなど、測定目的に応じて設置場所を決定します。
■設計ポイント3:灌水設備との位置関係を考慮する
土壌中の水分率とECは、灌水設備からの距離や深さ、土壌条件などによって異なる分布を示します。
例えば、点滴チューブの真下に設置すると、管理対象とする根域を代表する水分状態よりも高い値が測定されることがあります。その結果、「十分に水がある」と判断していても、灌水設備から離れた根域や、他の管理区画の乾燥を見逃す可能性があります。
設置する際は、灌水設備からの距離によって測定値が変わるため、灌水直下、根域中央、湿潤域外縁など、把握したい状態に応じて位置を決め、実際に管理したいエリアの状態を測定できるようにすることが大切です。
■設計ポイント4:土壌の種類による保水特性の違いを理解する
同じ量を灌水しても、土壌の保水性・排水性や、灌水・降雨後の経過時間によって体積水分率は異なります。
例えば、砂質土は水が抜けやすいため水分率が下がりやすく、粘土質土は水を保持しやすいため高い値になりやすい傾向があります。また、土壌改良資材の種類や混合割合によっても保水性や排水性は異なります。
そのため、「数値だけ」を比較するのではなく、「どの土壌で測定しているか」を考慮して評価することが重要です。
■設計ポイント5:条件が異なる場合は複数地点で測定する
広い圃場や複数の栽培区画を管理する場合は、1か所だけの測定で全体の状態を判断しないことが重要です。
例えば、圃場の高い場所と低い場所では土壌水分が異なることがあります。また、品種や栽培方法が異なる区画では必要な管理条件も変わります。
そのような場合は複数の地点にセンサを設置することで、空間的な代表性を高めることができます。