導電性高分子アルミ電解コンデンサは、周囲の温度や湿度などの使用条件によりゆっくりと劣化します。
具体的には、内部構成部材である酸化アルミニウム(誘電体)、および導電性高分子、カーボンペーストなどの有機成分の電気化学反応によって、静電容量の減少、ESRの増加となって現れます。
エージングによる静電容量の減少とESRの増加は、模式図的には下図のように、電気化学反応にて生じた生成物により電極の活性面積減少や層間の接触面積減少によって引き起こされます。
このように、一定数ESRや静電容量が劣化した状態をコンデンサの寿命と定義すると、その寿命に達するまでの時間の推定も可能です。
温度依存性については反応速度論すなわちアレニウス則に従い、電圧依存性についてはアレニウス則から拡大したアイリング則に基づきます。
ムラタでは、この信頼性ロジックに基づいてオリジナルの推定寿命計算シミュレーションツールをご提供しています。
このシミュレーションによって実際の使用環境下における静電容量/ESRの劣化度合いを予測し、設計に反映していただくことが可能です。