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CO2 センサCO2センサの基礎知識

CO2(二酸化炭素、Carbon dioxide)の影響と活用・管理について

CO2は室温では無色無臭の気体で、人間および動物の呼吸や有機物の燃焼で空気中に排出され、植物の光合成によって消費されます。

地球温暖化への影響

地球温暖化は温室効果ガスの増加が原因とされており、CO2・メタン・一酸化二窒素・フロンガスなどの影響が大きく、最も影響の大きいのがCO2と言われています。地球温暖化を抑制し、人間社会と自然環境を維持するためにはCO2排出量削減が大きな課題となっています。

CO2濃度と人体への影響

CO2はドライアイスや消火器に利用されていますが、使用方法を誤り空気中のCO2濃度(二酸化炭素濃度)が高くなると二酸化炭素中毒になる危険性があります。

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CO2濃度(ppm) 人体への影響
400
外気中の平均的な二酸化炭素濃度
400 ~ 1,000
換気が良好な居住中の室内での典型的な濃度レベル
1,000 ~ 2,000
軽い眠気や空気の悪さを訴えるレベル
2,000 ~ 5,000
頭痛、眠気、よどんでムッとする空気や息苦しさを訴えるレベル。集中力の低下、注意力の低下、心拍数の増加、軽い吐き気が現れることもある。
5,000
CO2以外にも高濃度のガスが存在している可能性がある異常な空気の状態で、毒性や酸素欠乏を生じる可能性がある。労働環境での日常的な暴露に対する許容限界濃度
40,000
酸素欠乏により直ちに危険な濃度レベル

二酸化炭素濃度の測定:換気への活用・管理

厚生労働省は良好な換気状態の基準として、室内のCO2濃度(二酸化炭素濃度)を1000ppm以下に抑える注意喚起しており、住宅・オフィスなどの人が密集する室内ではこまめな換気が必要とされています。CO2濃度(二酸化炭素濃度)を管理すべく、適切な換気とCO2センサによる管理が有効で、測定精度の観点よりNDIR方式CO2センサの使用が推奨されています。

二酸化炭素濃度の測定:農業への活用・管理

CO2は植物の光合成によって消費され、閉鎖された農業用ビニールハウス内はCO2が不足しやすい環境となりやすいです。CO2ガス発生装置とCO2センサでビニールハウス内のCO2濃度(二酸化炭素濃度)を管理し、農作物の成長を促進させることで収穫量アップと品質向上が期待できます。

CO2センサとは —種類、仕組み、原理

CO2センサは大気中のCO2濃度(二酸化炭素濃度)を検出し数値化して測定する機器です。世界各国における温室効果ガス排出量削減のための規制や取り組みにより、さまざまな産業においてCO2センサが導入されています。CO2センサの仕組みや原理についていくつかご紹介します。

NDIR(Non-Dispersive InfraRed)非分散型赤外線吸収法

非分散型赤外線吸収法は放射された赤外線が対象ガスの分子振動を引き起こす事により、特定波長の赤外線が吸収される現象を利用してガスを検知する方法です。赤外線の透過率(透過光強度と放射源からの放射光強度の比)は、対象ガスの濃度によって決まります。

1光源1光路1フィルタ1素子方式

この方式の特徴はシンプルな構成・最小限のサイズ・コスト優位性です。既知濃度の混合ガスや大気を引き込み、それをセンサのリファレンスして参照させる必要があり、センサとリファレンス間のドリフトが問題となることがあります。よって、定期的に校正を実施する必要があります。

1光源1光路1フィルタ1素子方式の図

1光源2光路2フィルタ2素子方式

この方式は2種類の光学フィルターを搭載し、それぞれのフィルタを通過した赤外線量を測定することで、CO2濃度を精度よく測定できます。一方のセンシング用フィルタはCO2を最も吸収する波長とし、もう一方のリファレンス用フィルタはCO2を吸収しない波長としています。この2つのフィルタ毎にセンサ素子を設置し、CO2吸収波長と吸収しない波長との透過量の差から濃度算出します。メリットはリファレンスを内蔵しているので大気校正が不要な点で、デメリットは光路とセンサ素子が2つあるので、その劣化度合いが差分(ドリフト)となる事です。

1光源2光路2フィルタ2素子方式の図

1光源1光路2フィルタ1素子方式

この方式の検出原理は上記1光源2光路2フィルタ2素子方式に近く、光源・光路・センサ素子を1つとし、2つのフィルタを動かして切り替えています。この方法により、1光源2光路2フィルタ2素子方式の欠点である光路とセンサ素子の2つの劣化度合いによるドリフトを無くして高精度化しています。

1光源1光路2フィルタ1素子方式の図

PAS(PhotoAcoustic Spectroscop)光音響分光法

光音響効果とは、赤外光源からの光のパルスをCO2の吸収波長に合わせて調整された光学フィルターを通過させ、 測定室内のCO2分子がフィルターを通過した光を吸収することで、パルス毎に分子が揺れ圧力波が発生し、この圧力波を高感度マイクロホンで検出しスペクトルを得ます。光音響分光法は小型化できることが特徴です。

TCD(Thermal Conductivity Detector)熱伝導度検出法

熱伝導度検出法は気体が固有に持つ熱伝導率の違いを利用するガス濃度の測定方式です。 加熱白金線などを使用した熱線センサにより、試料ガスの熱伝導率の変化による温度の変化を電気抵抗の変化として検出し、試料ガス中の測定成分ガスの濃度を測定します。センシング精度を高めるために、熱線センサを4つ組み合わせたブリッジ回路を使用するのが一般的です。

TCD Thermal Conductivity Detector 熱伝導度検出法の図

CO2センサの評価

CO2センサの精度を確かめる

CO2センサの精度を確かめる最も簡単な方法は、屋外でCO2濃度を測定した場合に測定値が415ppm~450ppm 程度に近い数値になっている事です。さらに高精度な確認方法は、CO2濃度が既知のガスを充填したチャンバーへCO2センサを入れ、既知の値が出るか確認する事です。その場合、評価するCO2センサよりもさらに高精度なCO2センサをリファレンスとして一緒に測定し、比較する事が有効です。

CO2センサの信頼性について

使用されるアプリケーションによって要求される信頼性は異なります。最も厳しいとされる農業用途では、高温・高湿度で長期間使用され、時には結露する環境で使用される場合があります。
また、作物の病気予防や品質向上を目的に硫黄燻蒸の環境で使用されることもあり、電子機器にとっては厳しい環境です。

CO2センサの校正

1光源1光路1フィルタ1素子の方式は大気校正が必要で、CO2センサ現品を大気へ持ち出したり、チューブで大気をセンサの近くへ引き込む必要があります。校正直後は正しい値となりますが、徐々にずれていく事もあります。リファレンスを内蔵している方式は校正フリーとなるので、校正にかかる保守の手間・費用を削減できます。

CO2センサの用途

農業の光合成促進・居住スペースやビルの空調制御・自動車内の空気質管理・冷蔵庫の冷媒漏れなど、様々な用途にCO2センサは使われています。精度・信頼性・耐環境性・校正フリー・サイズ・価格・出力インターフェースなど、用途毎の要求事項により方式を選定されます。
小型・低価格が要求されるアプリケーションもありますが、校正フリーでセンサの精度を長期間維持し、故障し難くい事が要求されるアプリケーションもあります。

農業の光合成促進

ビルの空調制御

自動車内の空気質管理

冷蔵庫の冷媒漏れ