施設園芸農業においては、植物・作物の生育のために最適な環境を安定して用意することが重要となります。そのためにも、温室ハウス内のデータ(温度・湿度・日射量・照度etc)のセンシングが必要不可欠となります。特にCO2濃度は、植物の光合成に欠かせない要素であるため、いかに正確に行えるかが鍵となります。
しかしながら、施設園芸農業における温室ハウスのCO2濃度のセンシングと管理は一筋縄ではいきません。温室ハウスのCO2濃度は、植物の呼吸により夜間は増加し、日中は光合成により減少するので、昼夜で大きく変化します。それに加えて、季節による日射量や外気温、ハウスの大きさ、生育する植物の種類や日々の生育状況等、様々な要素・要因がハウス内の環境に影響を与えるためです。
このようなハウス内の環境の変化にも対応できる耐久性があり、かつ、正確に測定できるセンサが施設園芸農業では求められます。ムラタのCO2センサは、ハウス内の目まぐるしく変化するCO2濃度をシーズンを通して正確に測定できるため、環境制御盤と連携することで、ハウス内を光合成に適した環境状態に維持することが出来るようになります。
その結果、コストを節減しつつ、ハウス内植物の生育度合いや収穫計画に応じて管理することが可能となり、収量や品質の向上につながります。
埼玉県加須市で18a・13.5aと大きさの異なる2つの温室でトマトを生産している田口久様にお話を伺いました。当社の炭酸ガス発生機、炭酸ガスコントローラ、ダクトファンを両方の温室で使用いただいています。
田口様は、朝方に1000ppmまで炭酸ガス濃度を上げる使い方で過去に使用されたこともあったそうですが、あまり効果が上がらなかったそうです。しかし、ムラタのCO2センサと制御盤を導入して、日中に低濃度炭酸ガス施用を行いながら無駄焚きを少なくできているそうです。
時期によって400~440、410~470ppmと設定を変更して使用いただいており、施肥方法も炭酸ガス施用に合ったものを研究されています。実際収穫量も3割程度向上している、と仰っていました。
「同じ方法で生産していれば、収益が少なくなるのは道理だ。科学的根拠に基づいた手法と新しい技術が結びついた時にこそ、生産性が向上し、収益が上がる。ぜひ他の生産者にもおススメしたい。素晴らしい!」と田口様は語っていました。