CO2センサ採用事例 施設園芸農業におけるCO2濃度管理の有効性

概要

採用先 : ネポン株式会社様

業界・業種 施設園芸農業
事業内容 温風暖房機・ヒートポンプ・温水ボイラ・複合環境制御装置等の製造と販売
採用対象 CO2センサ

取り組み背景

施設園芸農業における温室ハウスや植物工場では、作物の収量と品質を向上させることが課題です。そのために植物の光合成を促進すべく、CO2濃度を正確に測定し、CO2を適切なタイミングで供給する事が重要です。

お客様の課題

大気中のCO2世界平均濃度は約400ppmですが、光合成促進により日中の温室ハウス内はそれ以下となるので、CO2濃度400ppm以下を正しく測定する必要がありますが、これまで使用していたCO2センサは測定値の誤差により正しいCO2濃度の管理が困難でした。さらにCO2センサはその性質上時間が経つにつれて測定値に誤差が生じてしまうため、基準ガスや大気を用いた校正が必要で、維持管理の手間や時間が多く発生していました。

また、ハウス内への熱エネルギーやCO2を供給する装置においても、燃料抑制によるコスト削減の課題のひとつでした。

採用の目的

温室ハウスの作物栽培に適したCO2濃度管理を行い、作物の収量と品質を向上させることが大きな目的でした。

その為にはCO2の濃度管理が重要で、適切なタイミングと量のCO2を供給をしたく、濃度測定は400ppm以下を精度よく測定する事と測定値の長期安定性に優れるCO2センサの使用が必要です。

ムラタが提供する価値

ムラタのCO2センサはNDIR方式を採用しており、CO2濃度400ppm以下を精度よく測定する事が可能です。

CO2の光源・光路・受光素子の劣化を補正できる1ビームNDIR方式であり、測定値の精度・長期安定性と耐久性に優れています。

独自の機構とアルゴリズムで設置環境で測定値を自動校正しますので、メンテナンスフリーを実現します。

採用いただいた製品

CO2センサ IMGシリーズ

当社のCO2センサは長期安定性に優れるNDIR方式で、参照光を用いた自動校正手法を採用しています(特許取得済)。

CO2センサのイメージ画像

選定ポイント

ネポン様の光合成促進装置は、適切なタイミングと量のCO2をハウス内へ供給する事で、光合成を促進し作物の品質向上を実現する装置です。

ハウス内のCO2管理には、CO2濃度の測定精度が高く、耐久性があり、校正不要によるメンテナンスフリーであることが必要で、その特徴を合わせ持つムラタのCO2センサにメリットを感じました。

導入による効果

施設園芸農業においては、植物・作物の生育のために最適な環境を安定して用意することが重要となります。そのためにも、温室ハウス内のデータ(温度・湿度・日射量・照度etc)のセンシングが必要不可欠となります。特にCO2濃度は、植物の光合成に欠かせない要素であるため、いかに正確に行えるかが鍵となります。

しかしながら、施設園芸農業における温室ハウスのCO2濃度のセンシングと管理は一筋縄ではいきません。温室ハウスのCO2濃度は、植物の呼吸により夜間は増加し、日中は光合成により減少するので、昼夜で大きく変化します。それに加えて、季節による日射量や外気温、ハウスの大きさ、生育する植物の種類や日々の生育状況等、様々な要素・要因がハウス内の環境に影響を与えるためです。

このようなハウス内の環境の変化にも対応できる耐久性があり、かつ、正確に測定できるセンサが施設園芸農業では求められます。ムラタのCO2センサは、ハウス内の目まぐるしく変化するCO2濃度をシーズンを通して正確に測定できるため、環境制御盤と連携することで、ハウス内を光合成に適した環境状態に維持することが出来るようになります。

その結果、コストを節減しつつ、ハウス内植物の生育度合いや収穫計画に応じて管理することが可能となり、収量や品質の向上につながります。

取り組み概要のイメージ図

お客様からの評価

埼玉県加須市で18a・13.5aと大きさの異なる2つの温室でトマトを生産している田口久様にお話を伺いました。当社の炭酸ガス発生機、炭酸ガスコントローラ、ダクトファンを両方の温室で使用いただいています。

田口様は、朝方に1000ppmまで炭酸ガス濃度を上げる使い方で過去に使用されたこともあったそうですが、あまり効果が上がらなかったそうです。しかし、ムラタのCO2センサと制御盤を導入して、日中に低濃度炭酸ガス施用を行いながら無駄焚きを少なくできているそうです。

時期によって400~440、410~470ppmと設定を変更して使用いただいており、施肥方法も炭酸ガス施用に合ったものを研究されています。実際収穫量も3割程度向上している、と仰っていました。

「同じ方法で生産していれば、収益が少なくなるのは道理だ。科学的根拠に基づいた手法と新しい技術が結びついた時にこそ、生産性が向上し、収益が上がる。ぜひ他の生産者にもおススメしたい。素晴らしい!」と田口様は語っていました。

  • お客様からの評価のイメージ画像1
  • お客様からの評価のイメージ画像2
  • お客様からの評価のイメージ画像3
CO2センサ紹介資料・データシートダウンロード

「CO2センサ」の資料をダウンロードできます。
導入をご検討いただく際や社内での情報共有などに、ぜひご活用ください。