セラミック発振子(セラロック)圧電体セラミックスとは

セラミック発振子(セラロック®)の基礎知識

機械的エネルギーを電気的エネルギーに変えたり、逆に電気的エネルギーを機械的エネルギーに変換できるものを圧電体といいます。つまり、電圧をかけると伸び縮みし、逆に力を加えると電圧を発生するものが圧電体です。
セラミックスは一般的に細かい結晶の集まりで、1つ1つの結晶は正の電荷を持つ原子と負の電荷を持つ原子から構成されています。セラミックスの多くはこの正の電荷と負の電荷のつりあいが取れた状態になっています。しかし、誘電体セラミックスのなかには、強誘電体と言って、自然状態でも、結晶中の正負の電荷のつりあいが取れておらず、電荷の偏り (自発分極) を生じているものがあります。

ランダム極性軸の多結晶 ランダム極性軸の多結晶

焼き固めたばかりの強誘電体セラミックスでは、この自発分極の向きがバラバラで、セラミックス全体としては、見かけ上、電荷の偏りがないように見えます。ところが、これに高い電圧を加えると、自発分極の向きが一様の方向にそろい、電圧を取り除いても元に戻らなくなります。このように自発分極の向きをそろえることを分極処理といいます。

polarization gif cartoon film

強誘電体セラミックスに分極処理を行うと、圧電体セラミックスが誕生します。 圧電体セラミックスに外部から電圧を加えると、セラミックス内部の正負それぞれの電荷の中心が外部電荷と引き合ったり、しりぞけ合ったりして、セラミックス本体が伸びたり縮んだりします。

causing the ceramics to expand or contract gif cartoon film

また、圧電体セラミックスに圧力を加えると、片面は正の、他面は負の電荷が現れます。逆に引っ張ると、両面には、圧力を加えたときとは反対の電荷が発生します。このように圧電体セラミックスは結晶の分極を利用して、電気エネルギーと機械エネルギーの交換を行います。

mutual conversion between electric energy and mechanical energy gif cartoon film

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