アルミ電解コンデンサは、アルミニウムの酸化皮膜を誘電体として用いた有極性のコンデンサです。
電解質が液体か固体かによっても分類されます。
< 構造 >
- ・陽極部、陰極部
- ともにアルミ箔
- 陽極
- 99.9%以上の高純度の導電体(アルミニウム)
- 陰極
- 誘電体に液体又は固体の電解質を密着させたもの
- ・誘電体
- 表面に酸化皮膜を付したもの(アルミニウム:Al₂O₃)
コンデンサは、「電極面積が広い」「誘電体の比誘電率が高い」「電極間距離が狭い」ほど、静電容量が大きくなります。
アルミニウムは弁金属といわれる整流作用を有する特殊な金属です。他に弁金属の性能を示す金属はタンタルやニオブがあります。アルミニウム表面に陽極酸化により生成する誘電体である酸化皮膜(Al₂O₃)の比誘電率は約7~10であり、他のコンデンサに使用される誘電体よりも決して高くはありませんが、アルミニウム表面を電解によるエッチングにより表面積を~350倍に拡大した多孔質の構造を形成することで大容量のコンデンサを実現しています。また、コンデンサの耐電圧(定格電圧)は誘電体の厚さに依存します。一方で、誘電体を厚くすると静電容量は小さくなります。アルミニウムは1Vあたりの誘電体の厚みが約1.3nmと薄いことが特徴です。従って、高い耐電圧かつ高容量のコンデンサを設計するのに適しています。
アルミ電解コンデンサは電解質が「液体」か「固体」かによっても分類されます。電解質が「液体」のアルミ電解コンデンサは、液体電解質(電解液)を気密封止できる缶タイプのみであり、大容量かつ高耐圧の特性があります。
一方、電解質が「固体」のアルミ電解コンデンサには、固体(導電性高分子)である故に気密封止の必要がないため、缶タイプだけでなく、樹脂モールドした表面実装タイプがあり、大容量かつ製品高さが低い特性があります。さらに、固体電解質であるゆえに揮発するリスクがないので、液体電解質のものと比べて長寿命であるという特性があります。