ACアダプタを製造しているK社は、機能面で差別化することが難しいACアダプタのコストダウン競争に日々さらされていた。
利幅の少ないACアダプタに変わる次の主力製品を模索していたK社は、大手サプライアから国際規格であるQi (チー) 規格に基づいた、ワイレス給電システムをOEM供給できないかとの商談を受けた。市場ではタブレットやスマートフォンの急激な普及と共に、新たな充電方法としてワイヤレス給電へのニーズが急上昇していた。
K社は早速この話に飛びつき、開発を進めることにした。それと言うのも、ワイヤレス給電の急速な伸びと共に、ACアダプタの製造で培った技術やノウハウが活用できるという利点があったからだ。