EMI除去フィルタ(EMC・ノイズ対策)DC-DCコンバータの変換効率改善事例

課題

トップクラスの低消費電力モデルを作るために、越えなければならない壁とは・・・

現場端末向けの組込みユニットで強みがあるK社。タブレット型の端末がさまざまな現場端末として利用されるケースが増えていることから、情報収集を積極的に行っていた。現場の課題としては高機能化だけでなく、充電環境の整備が遅れている現場ではバッテリーの持ちを重視する声が特に大きかった。

情報収集を進める中、ヘルスケアの現場で使用するタブレット端末の新規開発プロジェクトの話が舞い込み、そのメイン基板の設計をK社が担当することになった。このタブレット端末は、同等品の中ではトップクラスの低消費電力を売りにしていた。
そのため、今まで設計した回路では仕様が合わず設計時間が少ない中、新規に開発を行う必要があった。

トップクラスの低消費電力モデルを作るために、越えなければならない壁とは・・・

原因はDC-DCコンバータの変換効率。しかしパワーインダクタが見つからない・・・

試作ボードがやっとできあがり評価を開始した。しかし、何度行ってもバッテリーの持ち時間の目標を達成することができず、メンバーは原因の究明を急いだ。

評価を繰り返すうちに、原因はDC-DCコンバータの変換効率の低さにあることを突き止め、キーパーツであるパワーインダクタを何種類か検証してみることにした。

検証の結果、パワーインダクタを交換すると変換効率に変化がみられたことから、何らかの影響を与えていることは間違いなかった。しかし、どれを使えば最高の変換効率を得られ、目標通りのスペックを達成できるのかまでは特定できず、選定ができないまま時間ばかりが過ぎていった。

課題のポイント

  1. 既存の回路が使用できず、短い期間で新規開発を行わなければならない
  2. 試作機では今回の売りであるバッテリーの持ち時間をクリアすることができない
  3. 問題の原因は特定できたが、最適なパワーインダクタを見つけ出すことができない
どう解決!?