ここでは、LQWシリーズを推奨する理由をSAWフィルタを例に解説します。
弊社のSAWフィルタ (通過帯域800MHz帯) とRFインダクタを用いて整合回路にQの違うRFインダクタを載せ替え、SAWフィルタの挿入損失を測定・比較しました。
図1に回路図を示します。今回の回路の場合、整合回路と言ってもRFインダクタが1つだけです。
図2に今回比較を行ったRFインダクタのQの周波数特性、表1に構造、サイズ、Q (800MHzでのTyp.値) を示します。
図2: RFインダクタのQ比較 (ともに7.5nH)
整合回路のRFインダクタを載せ替えたときのSAWフィルタの全体特性を図3に、通過帯域特性を図4に示します。
図4の通過帯域を見ると、使用したRFインダクタによってSAWフィルタの挿入損失が違っていることが確認できます。
高周波回路ではこのレベルの損失の違いが重要になってきます。
今回の実験結果から、RFインダクタのQの大きいもの (損失の小さいもの) ほど、SAWフィルタの挿入損失が小さいことがわかります。
つまり、インダクタの損失の大小が整合回路を含んだSAWフィルタの損失の大小となります。
なお、使用する高周波部品 (今回はSAWフィルタ) や整合回路、周波数帯などにより、損失は変わってきますので、ご注意ください。