ポリ乳酸(PLA=Poly Lactic Acid)は、汎用の石油由来プラスチックに匹敵する強度、成型性を持つ“生分解性ポリマー”のひとつとして1995年頃から注目され始め、現在では環境にやさしいポリマーとして広く認知されるようになりました。PLAの原料となる乳酸は、植物から得られるデンプンを乳酸菌により乳酸発酵させることにより製造されます。デンプンは植物の光合成により得られるため、製造から廃棄、分解に至るまでのライフサイクルにおいて、製造工程で使用されるエネルギーを除けば大気中のCO₂を増加させることはないカーボンニュートラルな材料です。
PLAは他の生分解性ポリマーに無い高い透明性を持ち、その光線透過率はアクリルの93%をもしのぐほどです。身近なものではスーパーマーケットなどで見かける卵パックやトマトケースの一部にこのPLAが使われているものがあります。一般的には環境対応ポリマーとして利用される安価な植物性ポリマーとしてのPLAですが、ムラタはこのポリマーの圧電性に着目しました。