焦電型赤外線センサ基礎知識-焦電型赤外線センサとは?-

焦電型赤外線センサとは?

  • 焦電型赤外線センサは、圧電体の一種である焦電セラミックスの焦電効果を赤外線検出原理としたセンサです。

赤外線とは?

  1. 熱作用を有するエネルギー
  2. 赤外線は電波や可視光線、紫外線と同様に電磁波の1種です。

赤外線の特徴

赤外線は、波長が可視光より長く、電波より短い電磁波の一種です。また目で見ることはできませんが、熱として感じることができる熱エネルギーを有しています。

  • 赤外線というと、熱い物体からしか出ていないような感じを持たれると思いますが、決してそうではありません。自然界に存在する物体は人間であれ、炎であれ、氷であれ、全てその物体のもつ温度と表面状態に応じた赤外線を放射しています。
    ただ、その波長がその物体の温度によって異なるだけとなります。黒体の温度と放射されている赤外線の波長分布は、プランクの法則によって表されます。
  • 温度T[K]の物体から放射される赤外線の放射エネルギー量は、絶対温度(摂氏-273℃)の4乗に比例します。(ステファンボルツマンの法則)
  • ウィーンの変位則によると人体(310[K])は、9~10[µm]をピーク波長とする赤外線エネルギーを放射しています。なお、温度の物体から放射される赤外線のピーク波長は温度が高いほど波長が短くなります。

焦電効果とは?

焦電効果とは、焦電セラミクスに温度変化が発生すると、それに応じて焦電セラミクスの自発分極が変化しその温度変化に応じて電荷が発生する現象のことをいいます。
この焦電効果を用いた焦電型赤外線センサはセラミクスの温度変化を検出して出力するセンサです。
一方で温度の絶対値によらず温度が安定した状態では出力が得られません。

焦電型赤外線センサの動作原理

センサに赤外線が入射すると、温度変化が生じますので、焦電素子(セラミクス)の表面温度が上がり、焦電効果により表面電荷が発生します。
このため安定時の電荷の中和状態がくずれ感知素子表面の電荷と、吸着浮遊イオン電荷の緩和時間が異なるためにアンバランスとなり、結びつく相手のない電荷が生じてしまいます。
この発生した表面電荷をセンサ内部品で電気信号として取りだし、出力信号として利用します。

温度変化があった時のみ検知が可能となります。
温度変化がない=動きがない場合は検知ができません。