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インダクタ (コイル)インダクタの基礎【第2回】高周波インダクタとは?

本コラムはインダクタの基礎を解説する技術コラムです。
第2回は高周波インダクタのを解説いたします。

インダクタには様々な使い方があり、その使い方に合わせて様々な種類の商品があります。
ムラタのチップインダクタは、その用途別に高周波回路用インダクタ、電源系インダクタ(パワーインダクタ)、一般回路用インダクタと3つの分類に分けてそれぞれに対応したチップインダクタを提供させて頂いています。
今回は、その中から高周波回路用インダクタについて解説します。

高周波回路用インダクタとは、その名の通り、数10MHzから数GHzまでの高周波数帯域で使用されるインダクタです。高いQ(Quality factor)値が要求されるため、空芯構造をしているものがほとんどで、主に携帯電話や無線LANなど移動体通信機などの高周波回路に使用されます。

表1 携帯電話における回路ブロック毎のインダクタの用途例
用途 場所 目的
マッチング アンテナ・IF部などにおける部品間ライン インピーダンスの不整合をなくし、反射・損失を最小限にさせます
共振 シンセサイザや発振回路 必要周波数を確保します
チョーク RF・IF部に使用される能動部品の電源ライン 高周波成分などAC電流カットします

ムラタの高周波回路用インダクタは、巻線/積層/フィルムの3つの構造の商品をラインアップしています。今から、それぞれがもつ特徴とその特徴に合った用途を簡単に紹介していきます。

巻線構造の特徴

巻線構造は、アルミナのコアに銅線でらせん状に巻いています。
積層/フィルム構造よりも太い線でのコイル形成が可能なため、次の特徴があります。

  1. 低直流抵抗化が可能
  2. Q(Quality factor)が非常に高い
  3. 大電流対応が可能

これらの特徴を活かし、非常に高いQを必要とするアンテナ/PA回路でのマッチング用やIF回路での共振用への使用に適しています。

ムラタの対象製品 : LQW04AN/15AN/18ANシリーズ
巻線構造のイメージ画像

積層構造の特徴

積層構造は、セラミック材料とコイル導体を積層し、一体化したモノリシックタイプであり、巻線構造に比べて小型化、低コスト対応が可能です。
巻線構造よりQは低いですが、L値偏差、定格電流、サイズ、価格などの全体的なバランスが良く、幅広い用途に使用できます。
移動体通信機のRF回路のマッチング用、チョーク用および共振用と各種用途に適しています。

ムラタの対象製品 : LQG15HN/15HS/LQG18HNシリーズ
積層構造のイメージ画像

フィルム構造の特徴

フィルム構造は積層構造ですが、コイルの形成をムラタ独自の微細加工技術によってセラミック材料上へ高精度に実現したチップインダクタです。
非常に高精度なコイルが形成できますので、次の特徴があります。

  1. 0603サイズのような小型チップでも、高性能な電気的特性を実現
  2. 安定したインダクタンスと細かいインダクタンス値のステップ対応を実現
  3. 高いQ、高いSRF

そのため、移動体通信機の小型、軽量のトレンドに対応し、狭偏差や高いQを必要とするRF回路のマッチング用や共振用途に適しています。

ムラタの対象製品 : LQP03TN/LQP02TNシリーズ
フィルム構造のイメージ画像

以上のように高周波回路用インダクタは、それぞれの特徴を上手く利用して、様々な高周波回路に利用されています。次回は、電源系インダクタの構造やどのような用途に最適かなどについて紹介したいと思います。

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