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- サーミスタの応用例・用途 -

 


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Application Note


 
 過熱検知(PRFシリーズ)
 
 
 回路保護(PRGシリーズ)
 
 
 加熱(FTPシリーズ)
 
     


ポジスタの基本特性


ポジスタの基本特性には、以下の三つがあります。

1. 抵抗温度特性

抵抗と温度の関係を示すもので、抵抗が常温~キュリー点温度の間でわずかに減少するか、ほぼ一定になり、キュリー点以上で急激に抵抗が増加する正の抵抗温度特性です。
キュリー点(C.P.)は、25℃における抵抗値の2倍の抵抗値になる温度と定めています。

抵抗温度特性


2. 電流電圧特性(静特性)
電圧印加に対し内部発熱と外部への熱放散が平衡状態になったときの、印加電圧と安定時電流との関係を示すもので、電流極大点と定電力部分を持っています。

電流電圧特性(静特性)


3. 電流時間特性(動特性)
電圧印加に対し内部発熱と外部への熱放散が平衡状態になるまでの電流と時間の関係を示すもので、大きな初期電流と急激な連続減衰電流部分を持っています。

電流時間特性(動特性)

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抵抗温度特性を利用する過熱検知の用途


パワートランジスタ、トランス、モータなどの過熱検知用にポジスタが使用できます。図1では負荷の温度を検出して直接回路を保護することができます。

トランジスタの加熱検知

図1


トランジスタ・リレー・サイリスタなどを組み合せて過熱保護回路を構成しているのが図2です。
このような用途に適したポジスタとして、過熱検知用ポジスタ PTFL/PTFM シリーズがあります。

パワートランジスタの過熱検知

図2


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電流電圧特性(静特性)を利用する用途


1. 過電流保護
回路において異常が生じた時、回路電流が通常動作時と比較して2倍以上大きくなるような場合、過電流保護用にポジスタが使用できます。図3に示すような回路において、たとえば回路部品が短絡したり、負荷側で短絡が生じて過電流が流れた時、ポジスタを接続することにより回路を保護できます。
このような用途のために、過電流保護用ポジスタ PRG/PTGL シリーズがあります。

過電流保護

図3



2. 過電流保護の用途例
(1)モータの過電流保護
何かの原因によってモータがロックすると、回路に過電流(ロック電流)が流れ、モータのコイルが発熱し焼損してしまう場合があります。ポジスタを使用することにより、メンテナンスフリーの保護回路が設定できます。
(2)トランス保護
過電流保護の特殊な例として図4の電源回路①のようにトランスの焼損防止としてポジスタの使用が可能です。ポジスタを使用すると、トランスが過熱した時、異常電流が流れた時、いずれの場合にも保護を行います。
(3)ショート保護
AV機器などに使用されるモータの駆動用トランジスタや電源部、PCなどのバッテリー充電部など、各々のショート保護にポジスタを使用することにより、メンテナンスフリーの保護回路が設定できます。(図4)

ショート保護

図4


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電流時間特性(動特性)を利用する用途


遅延回路
ポジスタの動特性を利用することによって、遅延動作を行わせることができます。図5の①は電源を入れた直後から時間の経過とともにポジスタの電流が減少し、リレーの電流が増え一定時間後にリレーがONに働きます。②は、その逆に電源を入れると同時にリレーとポジスタに電流が流れ、一定時間後にリレーがOFFに働きます。

リレーの遅延動作

図5


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用語説明


1. 保護電流
電流電圧特性において、電流の極大点を保護電流と呼びます。
図6において、ポジスタに流れる電流が保護電流より小さければ、負荷曲線aとポジスタの電流電圧特性cの交点Aで安定し、単なる固定抵抗として働きます。ところがポジスタの保護電流より大きな電流が流れた場合は、負荷曲線bとの交点Bで安定します。
つまり保護電流より大きな電流が回路に流れた場合には、ポジスタの抵抗値が大きくなり、回路電流を保護電流より小さい値に減衰させ、電源側および負荷側を保護します。

回路の負荷曲線とポジスタ®の電流電圧特性

図6

2. 保護電流変動範囲
ポジスタの保護電流は、周囲温度・抵抗値・温度特性・形状などの要因によって変動します。(図7)保護電流の上限より上の電流領域を動作領域、下限より下の電流領域を不動作領域、上限と下限の間の電流領域を保護電流変動範囲と呼びます。
回路電流が保持電流より小さければ、ポジスタは単なる固定抵抗として働きますが、トリップ電流より大きい電流が流れたときは必ず抵抗値を大きくして保護動作を行います。

保護電流変動範囲

図7

3. 動作時間
動作時間とは、図8のようにポジスタに流れる電流が突入電流 l0 の1/2に減少するまでの時間 t0 をいいます。

ポジスタ®に流れる電流

図8

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