土壌センサ採用事例 土壌データの可視化によるピーマンの適切な栽培計画の策定と安定収穫の実現

重要なお知らせ

2023/7/25(火)から2023/9/1(金)の間、当社ウェブサイトのお問い合わせフォームにおいて不具合が発生しており、上記期間にいただいた一部のお客様のフォーム入力内容が失われていることが判明いたしました。
当期間にお問い合わせいただき、フォーム入力後に当社からの受付完了メールをお受け取りになっていない場合、誠に恐縮ではございますが、下記お問い合わせページのフォームから改めてご入力をいただけますと幸いに存じます。

概要

採用先 : テラスマイル株式会社様・黒生野アグリ研究会(橋口仁一)様

業界・業種 卸売業
事業内容 テラスマイル株式会社様 : 農業経営(営農)に関わるデータ分析サービス「RightARM」の提供
黒生野アグリ研究会(橋口仁一)様 : 農作物の栽培(施設園芸・ピーマン)
採用対象 土壌センサ

取り組み概要

土壌センサで取得したEC(電気伝導度)、水分率、温度状態などの土壌データをテラスマイル様提供のデータ分析サービス「RightARM」へ取り込み、提供の分析データを元に黒生野アグリ研究会様の農作物の安定収穫を実現。

取り組み概要のイメージ図
導入前の課題

安定収穫に必須となる苗の地下部の状態を適切に把握する手段がなかった。

採用のポイント

データの信頼性・容易に設置が可能・リーズナブルなコストが導入の決め手に。

実装後の効果

農作物の不調への事前対処による安定収穫の実現、粗利益効果約10%向上。

お客様の課題

黒生野アグリ研究会様は、厳寒期の生産性向上(出荷量向上)や、出荷シーズン(11月~翌年6月)での安定出荷が所得に大きな影響を与える中で、農作物の安定収穫を実現するための苗の地下部の状態把握に課題を抱えていました。

農作物の安定収穫を行うためには、苗の地上部と地下部の状態を適切に把握・制御できることが必須条件となりますが、これまでは土中の状態の可視化を適切に行うことができなかったため、苗が弱っている原因を地上部の状態で判断するしかありませんでした。

苗の地下部の状態を適切に把握することは、より早い段階での適切な事前の処置につながるため、農業者からのニーズも高いですが、これまでの土壌センサでは「国内製は使用の前準備が大変な反面、ある程度の信頼性がある」などの様々な制約条件や精度面の課題がありました。

この点については農業分析データを提供するテラスマイル様も課題感を持っており、革新的な製品が求められている状況でした。

  • お客様の課題のイメージ画像1
  • お客様の課題のイメージ画像2

黒生野アグリ研究会様では安定収穫実現のための農作物の地下部の状態把握に、テラスマイル様では従来の土壌センサの制約の多さ・精度にそれぞれ課題感を持っていました。

採用いただいた製品

土壌センサ

ムラタ 土壌センサは、ひとつのパッケージ内に3つのセンサが収められており、土壌中や水質中などの環境における電気伝導度(EC)、水分率、温度状態を同時にセンシングすることができます。

土壌センサのイメージ画像

採用のポイント

データの信頼性・容易に設置が可能・リーズナブルなコストが導入の決め手に

センサの精度が高く、データの収集ロジックが分かりやすいため、農業者が納得いく信頼性のあるデータが取得できることが採用の最大のポイントです。

センサで土壌中のEC(電気伝導度)、水分率、温度状態を抽出し、経験値としての灌水量と気象条件による土壌中水分率の変動量を照らし合わせることで、今までの経験則による状態把握ではなく、ロジックに基づいた値を得ることでき、これらの根拠に基づいたセンシングは十分投資判断と選定に値するものでした。

また、センサは地中に埋め込むだけで設置でき、環境問わず容易に導入が可能な点、コストがリーズナブルな点も採用の決め手となりました。

導入による効果

データの可視化で予防対策や正しい育て方の実施が可能になり、粗利益効果が向上

「学びと気づき」を農業者が得て、成長するに十分な効果があったと振り返ります。

黒生野アグリ研究会橋口仁一様は、宮崎県内でもトップクラスの栽培成績(反収量=生産性)を誇り、雇用と規模拡大を行っている宮崎県事例農業者の一人でもあります。

「テラスマイル様のRightARMと組み合わせることで、約10%の生産性向上による経営効果があった」と評価いただきました。
金額換算で反当たり年間60万円程の売上、36万円程の粗利益効果があったと試算しています。

これは苗の地下部の状態を適切に把握することで、葉や花に症状が現れる前の目に見えない段階から早期に対処ができたことや、データでモニタリングすることで“今までの思い込み”を正し、適切な施肥の方法に変えたことで、収穫量が安定するようになったと考えられます。

土壌センサで取得したデータをRightARMに取り込んで、傾向分析を行い、農作物にとって適切な栽培方法に改善

以下の図は農作物の苗を植えた後の肥料のかけ方を、なんとなく“深く考えずに”毎年行っていた方法(図2-A)と、最新の知見を用いた方法(図2-B)の比較となります。
図2-Aの方法では、苗が活着する(苗が根を安定させて、地面に落ち着く)前に急激にEC(電気伝導度)を上げていました。
しかし、苗が幼い段階で高い濃度の肥料と接すると、根がやけどしたような状態になり、回復に余計な時間とエネルギーを消費してしまうことで、農作物の状態が悪化し、収穫量が不安定になる原因になっていることが分かりました。
図2-Bの苗が活着する前にEC(電気伝導度)を急激に上げない方法では、農作物の状態が良くなることが分かったことから、全圃場で同様の施肥の方法に変え、収穫量が安定するようになりました。

  • <図1> それぞれの手法の画像
  • <図2> 結果の比較グラフ

A : 深く考えず毎年行っていた手法
B : 最新の知見を用いた手法
A/Bそれぞれの手法によるEC(電気伝導度)の上り方を比較

お客様からの評価

経営の実績分析・要因分析・予測などのクラウドサービスを提供する中で、信頼性の高いデータが収集できることは、より質の高い経営分析サービスの提供へとつながっていくと考えています。
今回の評価を得て、農業の環境制御装置・環境モニタリングサービスのメーカーに、私たちからもムラタ製土壌センサを早期採用いただくように提案を進めています。

お客様からの評価のイメージ画像
土壌センサ紹介資料・データシートダウンロード

土壌センサの詳しい特長や実証実験例をまとめた紹介資料と、詳しい仕様を掲載したデータシートをダウンロードいただけます。
製品のご検討にご活用ください。

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