発音部品(ブザー)発音部品の基礎と専門用語

発音部品(音響部品)とは

音とは

音は、空気の振動です。

例)防犯ブザー、火災警報器、目覚まし時計など

音が伝わる様子のイメージ画像 空気を押す(音源) → 気圧が変化(音波) → 鼓膜が振動する → 音として認識

音が振動となって伝わるときの空気の圧力を、音圧といいます。
気圧が密になったり、疎になったり、この変化が一秒間に何回あるかを周波数と呼びます。

音の大きさと高さ

音量・音圧レベル(音の大きさ)について

音圧レベルとは、音の大きさを指します。単位はdB(デシベル、デービーともいう)、音圧レベルが大きい = 音が大きいということになります。
一般的に人が聞き取ることができる最小の音の大きさを0dB(20µPa)とし、これを音圧の基準としています。

ムラタの発音部品は、およそ70~90dB(10cmにて)です。ささやき声でおよそ20dB、普通の会話でおよそ60dB、電車のガード下でおよそ100dBです。
ただし、音源からの距離が遠くなると音は小さくなります。音圧の規定 : どの位置でどれだけの音圧が必要かを決める必要があります。

音量・音圧レベル(音の大きさ)に関するイメージ画像

周波数(音の高さ)について

人が耳で聞くことのできる「音」の周波数帯(可聴周波数帯域)は、一般的には「20Hz~20,000Hz(20kHz)」といわれています。その中でも「2kHz~4kHz」付近の音を最も効率よく聞き取ることができるため、発音部品は2kHz~4kHzで使用される場合が多いです。

  • 年齢が高くなるにつれ、周波数の高い音は聞き取り難くなる傾向があります。
周波数(音の高さ)に関する図

ブザーとは

アラームや電子音を発生させる部品のことです。

例)防犯ブザー、火災警報器、目覚まし時計など

人と機械の橋渡しとしての重要な役割をしています。このうち、圧電セラミックを応用したものが圧電ブザーです。正式には圧電発音部品といいますが、一般的には圧電ブザーという表現が使用されます。

スピーカーとは

電気信号を空気の振動、つまり音に変換し発生させる装置のことです。
音を発生させる点でブザーとスピーカーは同じですが、以下のような違いがあります。

ブザー
特定周波数の音を発生させる、アラームや警告音に使われる
スピーカー
幅広い周波数の音を発生させる、音楽や音声再生に使われる

専門用語

発音体とは

発音体とは、音を発生させている物体のことです。音源ともいいます。

例)ギター、ブザーなど

発音素子とは

発音素子とは、音を発生させるために振動している素子のことです。

例)ギターの弦、圧電ブザーの圧電セラミック素子など

感度とは

感度とは、対象物に与えた入力(インプット)に対する応答(アウトプット)の程度です。

例)音圧感度 : 入力電力に対する出力音圧レベルの比

指向性とは

音が音源から発せられた際、その音量・音圧レベルが方向によって異なることです。

周波数応答とは

入力した信号に対し、定常状態で出力される信号の振幅や位相の変化のことです。

共鳴周波数とは

個々の物体が持つ固有振動数と同じ周波数の振動を加えると、物体が振動を始める現象を共振といいます。この共振が起こる周波数が共振周波数です。
音響現象では、発音素子へ固有振動数に近い周波数の音波を入力すると、振幅が非常に大きくなります。この周波数が共鳴周波数です。

圧電ブザーは、共鳴器(ケース)の固有振動数に近い音波を内蔵した振動板で発生させることで、大きな音量を出しています。

共鳴周波数のイメージ画像

インピーダンスとは

インピーダンスとは、交流回路における電流の流れにくさを数値化したもので、電圧と電流の比を表します。

圧電ブザーのインピーダンス特性は図のようになり、共振周波数ではインピーダンスが極小値となります。

インピーダンスのグラフ