シリコンキャパシタ(シリコンコンデンサ)シリコンキャパシタの製品寿命について

製品寿命と推奨電圧の関係

ムラタのシリコンキャパシタは、加速度試験によって製品寿命を算出しています。
半導体の破壊モード測定の一つである経時的絶縁膜破壊(TDDB)測定を用いて、破壊モードをモデル化し、温度や電場の加速係数を用いて製品寿命を推定します。
100°Cの温度環境下において、製品寿命が10年となる推奨電圧はテクノロジーごとに異なります。
以下の表をご参照ください。

ムラタシリコンキャパシタ
絶縁破壊電圧(BV) 推奨電圧 ムラタテクノロジー
11V 3.6V PICS3
30V 16V PICS3HV
50V 21V PICSHV50
100V 32V PICSHV100
150V 68V PICSHV150
BVが100Vの製品に32Vを印加し続けた場合、期待寿命が10年となる。(環境温度は100°Cのとき)

半導体における破壊モード

半導体における破壊モードの図

酸化膜などの誘電体を一定の電圧と温度で使用すると、時間の経過とともに酸化膜の破壊が観察されます。これは経時的絶縁膜破壊(TDDB)と呼ばれ、半導体における重要な破壊モードの一つです。
この現象は一定時間のもと、高電圧または高温条件下で加速されます。

試験結果の一例

ムラタのテクノロジーの一つであるPICS3HV(BV : 30V)を例に見てみましょう。

Vg(V) 37°C 100°C 150°C 225°C
10 3076 years 671 years 276 years 102 years
13 377 years 82 years 33 years 12 years
16 46 years 10 years 4.1 years 1.5 years
19 5.6 years 1.2 years 186 days 69 days

PICS3HVでは、100°Cの温度環境下で10年以上となる印加電圧は、表からもわかる通り、16Vとなっています。
このようにして、ムラタのシリコンキャパシタの製品寿命は、各環境温度と印加される電圧によって算出されます。