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TVSダイオード(ESD保護デバイス)ESD保護素子とは?ESD対策部品の種類と仕組み

ESD(Electro-Static Discharge:静電気放電)・サージとは?

たとえば、帯電した人体が電子機器のインターフェースなどに接触すると、静電気の放電が発生します。このような現象を「ESD:Electrostatic Discharge(静電気放電)」と呼びます。「帯電した人体から生じるESD(人体帯電モデル)」は数千Vの高電圧です。この高電圧パルスが、触れた電子機器内部に侵入し、IC回路の誤作動や破壊を引き起こします。このように電子機器内部に侵入したESDが製品やシステムを破壊することを防止するためには、ESDの抑制や除去を行う対策部品を設置する必要があります。
静電気の仕組みや帯電しやすい環境・素材、各種帯電モデル、ESD対策の必要性などについては「静電気とは?基礎知識とESD対策」をご参照ください。

ノートPCの入出力ポートに対し、人の指先から静電気放電(ESD)が発生するイメージ写真。

ESDとサージ(Surge)の違い

前述のとおり、ESDとは帯電した導電性の物体同士が接触、あるいは充分に接近した際に発生する静電気の放電現象のことです。

一方で、サージ(Surge)とは、広い意味では、過渡的な過電圧や過電流全般を意味します。
スイッチON/OFF時などに発生する過電流を「サージ」と呼び、雷によって発生する過電圧・過電流は「雷サージ」と呼ばれています。

ESD対策が必要な場所・場合(ポイント)

人が触れたり、さまざまなものが接触するすべての場所において、ESD(静電気放電)が生じ、機器内部のICなどの破壊につながるリスクがあります。これらの場所にESD対策としてTVSダイオードやバリスタ、サプレッサのような「ESD保護素子」を用いる必要があります(これらのESD保護素子の特徴の違いや比較については、「TVSダイオードとは?他のESD保護素子との違いや特徴」TVSダイオードとバリスタ、サプレッサの違いをご参照ください)。

特にTVSダイオードのような応答速度が高速なESD保護素子による対策が必要となる場所としては、下記が代表的です。

ESD対策が必要な場所の例。ノートPCのUSBポートへのUSBコネクタの抜き差し、電子機器のボタン操作、基板同士を接続する様子の写真。
  • ESD保護サプレッサ、ESD保護ダイオード、ESD保護フィルタ、ESDプロテクション、ESD保護デバイスなどの総称として、本ページではESD保護素子と表記しています。

ユーザーがコネクタを抜き差しする各種I/Oインターフェース

USB USB 1.1 / USB 2.0 / USB 3.0 / USB 3.1 Gen1・Gen2 / USB 3.2 Gen1・Gen2・Gen1x2の規格に対応するUSB Standard-A(Type-A)・Standard-B(Type-B) / USB Micro-B / USB mini-B / USB Type-Cポート
HDMI HDMI 1.0 / HDMI 1.1 / HDMI 1.2 / HDMI 1.2a / HDMI 1.3 / HDMI 1.4 / HDMI 2.0の規格に対応するHDMI(タイプA) / HDMI-mini(タイプC) / HDMI-Micro(タイプD)ポート
その他各種インターフェース 電源入出力 / オーディオ入出力 / SDカードスロットなど

電気製品でユーザーが直接触れて操作する場所

操作系
ボタンやスイッチ、セレクター、ツマミなど

電子機器内部の基板同士をコネクタ接続する場所

電子機器内部の基板同士をコネクタ接続する場合など
製品の組み立て時以外にも、PCや産業用機器などではユーザーによる機能拡張のためのオプション基板やワイヤーハーネスなどのコネクタ取り付け時にもESDによるIC破壊のリスクがあるため、ESD保護素子による対策が必要です。

ESD保護素子の種類

ESD保護素子には、TVSダイオード、サプレッサ、バリスタ、アレスタがあります。当社では、TVSダイオードを取り扱っています。
TVSダイオードは、静電気(ESD)の過渡過電圧保護用途、たとえばUSBなどのデータ通信端子や電源端子からのESD保護に適しています(詳しくは「TVSダイオード(ESD保護デバイス)」TVSダイオードの使用例をご参照ください)。

ESD保護素子の違いについては、「TVSダイオードとは?他のESD保護素子との違いや特徴」TVSダイオードとバリスタ、サプレッサの違いで詳しく説明しています。

ESD保護素子の種類による素材やメカニズムの違いを示した図。素材がセラミックベースの素子としてバリスタ(電圧可変抵抗方式)やサプレッサ(電極間放電方式)、アレスタ(気体の放電現象の利用)が挙げられ、それぞれメカニズムが異なる。一方、TVSダイオードの素材は半導体ベースで、電界効果トランジスタ方式/低電圧ダイオード方式を採用。

ESD保護素子を使うメリット

ESDは左図のように、人の手が触れやすい、外部インターフェースからESDが機器に浸入します。
ESD保護素子がない場合、外部インターフェースの経路から、ESDのような数千Vの高電圧が直接ICに印加され、ICが破壊されてしまいます。ESD保護素子は、ESDによるIC破壊を防ぐ部品として、右図のように外部インターフェースとICの間で、データラインとグランドの間に接続します。
そのため、ESD保護素子には以下2つの機能が必要です。

  1. 通常動作時に、IC駆動電圧でグランドで絶縁し、データラインに悪影響を与えないこと
  2. ESD印加時に、グランドと導通させ高電圧をGNDに逃がすこと
指先からノートPCの入出力ポートを通じてESD(静電気放電)がICに印加し、ダメージが生じる仕組み。
入出力ポートからのICまでのライン上にESD保護素子を配置することで、ESD侵入時、ICに印加する前にGND(グランド)に逃がす仕組みを図で解説。
  • ESD保護素子は、TVSダイオード、サプレッサ、バリスタを指す

ESD保護素子に必要な機能

通常(数V)
IC駆動電圧でGNDと絶縁されていること
ESD印加時(数千V)
GNDと導通させ高電圧をGNDに逃がす

ESD保護素子の製品マップ

TVSダイオードは、低静電容量/高静電容量・高静電気放電能力を特徴とし、DC電源ラインや5Gbpsまでの通信ラインにおいて高い静電気吸収を実現します。当社では、チップサイズ0402~1006mmサイズを揃えています。
ESD保護素子の違いについては、「TVSダイオードとは?他のESD保護素子との違いや特徴」TVSダイオードとバリスタ、サプレッサの違いで詳しく説明しています。

縦軸がESD保護性能、横軸が通信ラインの送信速度(~100Gbps)のグラフ上で、TVSダイオード、バリスタ、サプレッサ、アレスタを比較。TVSダイオードが幅広い送信速度において高いESD保護性能を持っていることが分かる。
ESD対策(静電気放電対策)とTVSダイオード(ESD保護デバイス)の基礎知識

本サイトでは、ESDとは何なのか、また、その対策部品であるTVSダイオードとはどういうものか、その機能や種類、ムラタ製品の特徴をご紹介します。

  • ESD保護素子とは?ESD対策部品の種類と仕組み