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PTCサーミスタ(ポジスタ)アプリケーションノート 電流制限抵抗器・高電力抵抗器

電流制限抵抗器・高電力抵抗器とは

電流制限抵抗器や高電力抵抗器は、電気回路に流れる電流を適切に制御し、過剰な電流や突入電流から回路を保護するための重要な部品です。これらの抵抗器は、電流の流れを制限することで、回路の安全性を高め、機器の故障や損傷を防止します。

電流制限抵抗器・高電力抵抗器としてのポジスタの特徴

一般的な固定抵抗器より小型で高性能

村田製作所のPTCサーミスタ(ポジスタ)は、電流制限抵抗器や高電力抵抗器としての役割を担います。ポジスタは、定電力特性に優れ、高い耐圧性能を持っているため、従来の大型で高電力を扱う抵抗器に比べて、より小型化が可能です。
具体的には、ポジスタは2012サイズ以下の小型SMD(表面実装デバイス)でありながら、最大32Vまでの電圧に対応できるラインアップを揃えています。これにより、数ワットレベルの電流制限や放電用途に使われる大型の高電力抵抗器を置き換え、回路の小型化や部品点数の削減に貢献します。

(参考)1608サイズチップ固定抵抗器と1005サイズポジスタの許容電力比較

試験条件……印加電圧 : 5.5VDC、印加時間 : 40msec

青 : 電流、オレンジ : 電圧

1608サイズ チップ抵抗器

試験前 2.2Ω ⇒ 試験後 37Ω

1608サイズ チップ抵抗器のグラフ
1608サイズ チップ抵抗器の試験後外観(焼損跡)

1005サイズ チップポジスタ

試験前 2.2Ω ⇒ 試験後 2.2Ω

1005サイズ チップポジスタの1回目のグラフ
1005サイズ チップポジスタの2回目のグラフ
1005サイズ チップポジスタの試験後外観(異常無し)

自動発熱制御により温度管理機構が不要

ポジスタは電流に応じて自己発熱をコントロールする「自動発熱制御」機能を備えています。このため、従来の抵抗器で必要とされていた外部の温度管理機構が不要となり、回路設計の簡素化と信頼性向上に寄与します。

リセッタブルな過電流保護素子としても機能

過電流発生時には、ポジスタの従来の過電流保護機能を発揮し、回路を保護します。

安全規格認証

ポジスタはUL/cUL、IEC(TUV)の安全規格を認証しており、機器の安全規格認証に役立ちます。

  • 一部対象外の品番もございますのでこちらを参照ください。

ポジスタと固定抵抗器の類似部品との比較

左右にスワイプ可能です 横持ちでご覧ください
ポジスタ 固定抵抗
サイズ 0.6×0.3mm~2.0×0.12mm 1.0×0.5mm~6.4×3.2mm
最大電圧 6~32V ~32V
最大電力 数W~数百W 2W未満
抵抗公差 ★★ ★★★
耐スパイク電流 ★★★

抵抗値安定性 ★★★
★★★

ポジスタによる電流制限抵抗器・高電力抵抗器としての用途・使用例

ICパワーラインや信号ラインの電流制限抵抗および、過電流保護

ホットスワップコントローラIC、I2Cパススイッチ/マルチプレクサ、ファンコントローラICなど各IC入力電圧・電源電圧ラインにおける電流制限抵抗器としてポジスタを使用すると偶発的なスパイク電流による抵抗器の破損を防ぐことができ、さらに異常電流に対するICの過電流保護としても貢献します。

回路図

IC入力電圧・電源電圧ライン推奨品番

BMSのプリチャージ回路の電流制限抵抗

バッテリーマネジメントのプリチャージ回路で電流制限抵抗にポジスタを使用。抵抗器の小型化に貢献するだけでなく、セルのチャージ量によって電圧が変動するため、チャージ時間の短縮にも貢献します。
固定抵抗器と異なり電圧変動に対しポジスタの抵抗値が変化するため一定のチャージ電流が確保できます。

回路図
チャージ時間のグラフ

プリチャージ回路電流制限抵抗推奨品番

パワーLED回路やモータ回路の電流制限抵抗および過電流による破壊防止

パワーLED回路やモータ回路において、電流制限抵抗にポジスタを使用。抵抗器の小型化に貢献するだけでなく、過電流保護および高温時のディレーティングの役割を担い回路の破壊防止に貢献します。

回路図

選定時の注意点は?

  • 使用する回路電圧が、ポジスタの最大電圧を超えないように選定ください。
  • ポジスタの保持電流は周囲温度によって変化しますので、ご使用温度範囲において回路の通常電流が、ポジスタの保持電流を超えないように選定ください。
  • 使用温度範囲内でご使用ください。
  • ポジスタの周辺に発熱源となるような部品があるとポジスタの保持電流に影響しますのでご注意ください。
  • 長寿命機器などでポジスタに500時間(民生)/ 1000時間(車載)を超えるような長時間の負荷が掛かる使用方法に関しては村田製作所にご相談ください。お問い合わせはこちら

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