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PTCサーミスタ(ポジスタ)アプリケーションノート リセッタブルヒューズ

リセッタブルヒューズとは

リセッタブルヒューズとは、PTCサーミスタの一種で、過電流や短絡などの異常電流が流れた際に回路を保護するための保護部品です。通常時は低抵抗で電流を通しますが、異常が発生すると自己発熱により急激に抵抗値が上昇し、電流の流れを制限して回路や接続機器を守ります。
特徴的なのは「リセッタブル(再利用可能)」であることです。異常状態が解消されると抵抗値はもとの低抵抗状態に戻り、ヒューズの交換やメンテナンスを不要にします。このため、電気機器の安全性を高めるとともに、メンテナンスコストの削減にも貢献します。
村田製作所のポジスタはセラミックPTCとして知られ、同じPTCでもポリマーPTCとは異なり、抵抗値の安定性や繰り返し動作時の信頼性が高い点が特長です。小型のSMD(表面実装)タイプが多く、スペース制約のある回路設計にも適しています。
主な用途としては、ファクトリーオートメーション機器のI/O制御回路の誤配線防止、USBポートや車載インフォテインメント(IVI)基板の過電流保護、さらには家電製品や通信機器の安全対策など、多岐に亘ります。

リセッタブルヒューズとしてのポジスタの特徴

ポジスタの動特性を活かして、過電流保護やリセッタブルヒューズとしてご使用いただけます。

過電流・短絡保護の動作原理

過電流や短絡が発生した際に迅速に反応し、回路の電流を抑制しデバイスを保護します。

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過電流・短絡保護の動作原理の図

繰り返し使用可能(リセッタブル)なメリット

繰り返し使用可能で、異常が取り除かれたらもとの状態に戻るため、メンテナンスが不要です。

ポリマーPTCと比べて特性が安定

セラミックPTCとポリマーPTCの違いは、材料と構造にあります。セラミックPTCは、基板実装後や過電流保護動作前後の抵抗値ドリフトがなく、特性が安定しています。

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セラミックPTCとポリマーPTCの違いの図

過電流保護回路設計の簡素化と小型化

下図のように、ヒューズ抵抗器、FETやトランジスタを使用した過電流保護回路の変わりに、ポジスタの素子ひとつでリセッタブルな過電流保護部品として働くことから部品点数の削減が可能です。また、2012サイズ以下の小型SMDサイズのラインアップから過電流保護回路の小型化に役立ちます。

図1 ヒューズ抵抗の置き換え
図2 過電流保護回路の置き換え①
図3 過電流保護回路の置き換え②
図4 電流制限回路の置き換えとFET保護

安全規格認証

ポジスタはUL/cUL、IEC(TUV)の安全規格を認証しており、機器の安全規格認証に役立ちます。

  • 一部対象外の品番もございますのでこちらを参照ください。

チップ電流ヒューズ、ポリマーPTCなど類似部品との比較

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ポジスタ チップ電流ヒューズ ポリマーPTC e-Fuse
製品サイズ 0.6×0.3mm~ 1.0×0.5mm~ 1.6×0.8mm~ 3.0×3.0mm~
実装面積 ★★★ ★★★ ★★
調整用外付け部品必要
復帰性(リセッタブル) ★★★ -
★★
抵抗変化有
★★★
保持電流(常温) 10mA~750mA 保護電流の30~60% 10mA~500mA -
トリップ電流(常温) 21mA~1.62A 28mA~500mA 30mA~1A 500mA~5A
調整可能
応答速度 ★★ ★★★
周囲温度の影響 ★★ ★★
サージ電流による誤動作 ★★

誤遮断
★★
★★
最大電圧 ~32V ~63V ~60V ~48V
基板実装後の初期抵抗値 0.2Ω~470Ω 0.2Ω~7.5Ω 0.68Ω~120Ω 数十mΩ
使用温度範囲 −40~+105℃ −55~+125℃ −40~+85℃ −40~+125℃
過電流保護時の発熱温度
価格 $$ $ $$ $$$
  • 各タイプの代表的な品番での比較です。

リセッタブルヒューズの用途・使用例

FA機器のI/O制御ポートへの誤配線や、センサなどの故障による過電流からの故障を防止

PLC(プログラマブルロジックコントローラ)やモータドライブ、センサユニットなどで、誤接続や短絡による過電流のトラブルから回路を保護します。

回路図

I/O制御ポート推奨品番

オープンコレクタ回路推奨品番

USBやHDMIなど、各種ポートの短絡による過電流からICを保護

PC、タブレットPCなどのUSBポートに接続されたデバイスが過電流状態になると、PRGが作動して回路を遮断し、デバイスを保護します。

回路図

パワーライン推奨品番

IVIの基板間配線の短絡や過電流から回路を保護

IVI(In Vehicle Infotainment)を含むコクピット周りの高度化に貢献します。

回路図

推奨品番

リセッタブルヒューズの選び方

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リセッタブルヒューズの選び方の図

選定時の注意点は?

  • 使用する回路電圧が、ポジスタの最大電圧を超えないように選定ください。
  • ポジスタの保持電流は周囲温度によって変化しますので、ご使用温度範囲において回路の通常電流が、ポジスタの保持電流を超えないように選定ください。
  • 異常の際に流れる電流が、ポジスタのトリップ電流より大きいことを確認してください。
  • 使用温度範囲内でご使用ください。
  • 分圧目的でポジスタを複数個直列に接続し使用しないでください。ひとつのPTCに電圧が集中しポジスタの最大電圧を超えた負荷が掛かり破損する可能性があります。
  • ポジスタの周辺に発熱源となるような部品があるとポジスタの保持電流に影響しますのでご注意ください。

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