AMRセンサ(磁気センサ)全方位検知-3D・低消費電力タイプ-

  • XYZの3軸多軸方向からの磁界を検知するAMRセンサです。
  • 各種機器に対する外部からの磁界検知などに使用できます。
  • 低消費電流タイプの製品はリードスイッチからの置き換えも可能です。
Omni-Directional series

シリーズラインアップ

特徴

  • 従来の1方向検知から、XYZの3軸多軸方向からの磁界を検知できるセンサ。
  • MRMS581Pは従来製品比で消費電流が約94%削減(3.0Vで平均0.3µA)となる超低消費化を実現。
  • 各種機器に対する外部からの磁界検知などに使用できます。
  • 低消費電流タイプの製品はリードスイッチからの置き換えに対して特に推奨します。

磁界検知のイメージ

全方位AMRセンサはXYZの3軸全方向からの不正磁界を検知しますので①~⑤のような様々な磁石の向きでも検知できます。他方式であるホールICは方向①からの磁界を検知するイメージとなります。

全方向の磁界を検知したい場合、ホールICの複数個使いに比べ、全方位AMRセンサはコンパクト化、コストダウンを実現できます。(全方位AMRセンサは磁石の向きによってもON/OFFする距離が変わので、ON範囲は球体とならない場合があります。)

低消費の仕組み

左右にスワイプ可能です 横持ちでご覧ください

タイミングチャート中の磁界「有/無」はセンサがONできるだけの磁界があるか、ないかの状態です。常時駆動品のセンサはkHzオーダーの磁界有無の変動でも磁界変化に追従できますが、低消費(従来品)では20Hz。MRMS581Pでは4.7Hz未満の磁界変動に対して出力を返す仕様となっています。実際に磁界の変化があっても次の判別タイミングまでは前回の結果を保持している状態ですので、磁界変動が激しいケースではON/OFF判別結果を取りこぼす可能性があります。磁界の変化が激しい箇所での使用には向いていません。

MRMS581Pの超低消費電流は常時電流を流し続けるタイプのセンサと比べて約99.99%以上。低消費(従来品)と比べて約94%も消費電流を削減した“超”低消費電流となっています。(黄色のエリアが消費電流量の比較イメージです。)

  • 磁界の周波数は十分にマージンをもって下さい。センサの個体差や環境温度などによって変化するケースがあります。

全方位AMRセンサとリードスイッチの比較

  • 左右にスワイプ可能です 横持ちでご覧ください

上の図はリードスイッチとMRMS591Pが同じ磁石を使用した場合、どの範囲でONするかを比較したものです。

座標(0,0)に磁気センサ(MRMS591P・リードスイッチ)を配置して、フェライト磁石(10×6×18mm)を上方から近づけた場合磁気センサがONするまでの距離をプロットしています。
通常、リードスイッチは製品をフォーミングして基板に搭載するため、リードスイッチのリード線部の長さを36mm(未切断)・24mm・12mmと短くしていった状態で示します。
リードスイッチ36mm・24mm・12mmはリードスイッチの長さによってONしている場所です。その他はOFFしています。MRMS591Pは赤線枠内の範囲でONしています。
この例では両端6mm以上フォーミングしてリードスイッチを使用する場合はMRMS591Pの方が広い範囲でONしています。
リードスイッチの検知エリアは全方位AMRセンサと似ています。リードスイッチのフォーミング状態や磁石によってはリードスイッチよりも広い検知エリアとなる場合があります。
そのような場合はさらに小さい磁石でも同じ動作が可能となる可能性があるため、機器の小型化、レイアウト設計もし易さが向上します。
今の磁石ではどれぐらいの範囲でONするか?についてはAMRセンサシミュレーションツールをご参照ください。

写真で見るリードスイッチとの比較

リードスイッチと同様のON検知を行えるので、磁石を変更しないですむケースが多いです。(他方式では磁石やレイアウトの変更が必須。)

リードスイッチと同じ磁石、同じ配置でAMRセンサは動作することが多いです。

従来のAMRセンサは磁界が斜めに印加されるとある角度以上でOFFする。
(AMRセンサ側のLEDが消灯している。)

従来のAMRセンサでは、磁石の磁界が水平に印加している状態から斜めに変化していく動作の場合、リードスイッチと比べて早くOFFする特徴がありました。

全方位検知のAMRは磁界の向きによらず磁界の強さに対してONしているので、検知角度は従来型AMR・リードスイッチよりも広いです。

防犯用途や外部不正磁界など、製品に対して様々な方向から磁界が入ることが想定される場合には全方位検知のAMRセンサがリードスイッチよりも有利な場合があります。

用途

  • リードスイッチからの置き換え
    リードスイッチの故障や小型化に対する置き換えニーズ。
  • 各種機器に対する外部からの磁界検知
    窓の防犯用途など、機器を設置する際の施工者が作業しやすい。磁石を置ける範囲が広い。
    メータなど不正な磁界が入ることで誤検出する可能性がある場合、これら不正な磁界を検知する対策。