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NTCサーミスタNTCサーミスタ実装位置のポイント

NTCサーミスタの基礎知識

村田製作所が提案するNTCサーミスタの最適な実装位置について、重要な6つのポイントをわかりやすく解説します。
温度測定の精度向上や効率的な熱管理のためのお役立ち情報です。

NTCサーミスタ搭載位置の6つの重要ポイント

  1. 熱源近傍への設置
    • NTCサーミスタは、できるだけ熱源の近くに置くことで、温度測定精度が高くなります。
  2. 熱源の端子付近に設置
    • 熱源の端子付近に置くことで、測定位置による温度ばらつきの影響を小さくしオフセット温度を小さくできる場合があります。
  3. 熱源に対し平行に配置
    • 熱源に平行に置くことで、オフセット温度を小さくできる場合があります。
  4. 熱源のない面での設置はサーマルビア近傍に
    • 熱源のない面に置く際は、サーマルビアの近くにすることで、オフセット温度を小さくできる場合があります。
  5. 熱源のある面での設置はサーマルビア近傍を避ける
    • 熱源のある面に置く際は、サーマルビア近くは基板温度が低くなることもあるため、避けたほうが良い場合があります。
  6. 測定対象近傍に置けない場合の対策
    • 測定対象の近くに置けない場合は、floating層(フローティング層)を活用することで、オフセット温度を低減できる場合があります。
  • オフセット温度 : 熱源とサーミスタの温度差

実験1. 熱源の温度分布の解析

NTCサーミスタは、できるだけ熱源の近くに設置することで温度測定精度が高くなります

目的
NTCサーミスタを熱源近傍に置くことで、オフセット温度を小さくする効果を検証。
結果
熱源から離れると温度が急激に低下するため、できるだけ近くに置くことが重要。

解説

MOSFET(TPCA8028-H)を基板に実装し、電圧を印加。サーモビューアで温度分布を測定しました。
温度分布の結果は、図2のように熱源から離れると急激に温度が下がります。

図1 : 実験1の試験条件
図2 : 実験1の結果1

熱源の端子近傍に設置することで、温度の影響を受けやすい部分を効果的に監視できる

目的
熱源の端子の有無による温度勾配の違いを検証。
結果
端子のある側は温度勾配が緩やかで、温度のばらつきが少なくなるため、端子近傍へ置くことが望ましい。

解説

図3のように、MOSFETの端子のない側となるX軸の温度スロープをGraph1、MOSFETの端子のある側となるY軸の温度スロープをGraph2に示します。
端子のある側の温度スロープが緩やかになり、位置の違いによる温度の影響を少なくし、オフセット温度が小さくなります。その原因は、MOSFETの熱は端子を介して最初に基板に伝わるためです。

図3 : 実験1の結果2

実験2. 熱源に対する設置方向

NTCサーミスタは熱源と並行に設置することが、温度差(オフセット温度)を抑える場合がある

目的
熱源に対してNTCサーミスタを平行設置と垂直設置の違いを検証。
結果
熱源に平行に置いたほうがオフセット温度が小さくなる。
図4 : 実験2の結果

実験3. サーマルビアの影響

熱源のない面にNTCサーミスタを置くとき、サーマルビアの近傍に置いたほうが良い場合がある

熱源のある面にNTCサーミスタを置くとき、サーマルビアの近傍に置かないほうが良い場合がある

目的
熱源のある面と熱源のない面において、サーモビューアで周辺の温度変化や熱の伝わり方がどう異なるかを測定・比較。
結果
熱源のない面ではサーマルビア近傍に置いたほうが良い場合がある。一方で、熱源のある面では、サーマルビア近傍にサーミスタを置かないほうが良い場合がある。

解説

図5に基板状態とその測定結果を示します。
熱源のない面は、サーマルビアを介して熱源のある面からの熱が伝わりやすく、その周辺は熱源の温度に近いです。
一方で、熱源のある面のサーマルビア周辺は、熱源のない面への放熱が起こっているため、その周辺の基板温度が低くなり、サーマルビア周辺に置くことを避けたほうが良い場合もあります。もし、熱源側にスペースがない場合、floating層を用いる方法もあります(次の実験4をご参照ください)。

図5 : 実験3の結果

実験4. フローティング層を用いたオフセット温度の低減

測定対象の近くに置けない場合、floating層を用いることでオフセット温度を抑制可能

目的
内部電極層(フローティング層)の熱の影響を見るため、2つのシミュレーションモデルを作成。
結果
測定対象の近くに置けない場合は、内部電極層(フローティング層)を活用し、オフセット温度を低減できる。

解説

フローティング層のないモデルAは、実験2のモデルに2nd層を追加したモデルです。2nd層は、表層(1st)層から300µm下にあり、基板全面を覆っていて、1st層とは8つのサーマルビアで導通しています。
フローティング層のあるモデルBは、モデルAに3rd層を追加したモデルです。3rd層がフローティング層であり、1st層から150µm下にあります。モデルBの1st層のPoint 1の温度は、モデルAに比べて10degC高くなり、モデルBの温度が高い原因はフローティング層に熱が蓄えられたためです。

図6 : 1st、2nd、3rd層のイメージ図
図7 : フローティング層のないモデルAの結果
図8 : フローティング層のあるモデルBの結果

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フローティング層の効果をシミュレーションで検証することも可能です。ムラタのシミュレーションソフト「Femtet™」を使い、フローティング層の有無による温度差を確認。シミュレーションでのMOSFETの発熱は、実験結果をおおよそ再現しています。

図9 : 実験結果とシミュレーション結果の比較

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