導電性高分子アルミ電解コンデンサアクセラレータの使用例

アクセラレータボードの市場トレンドと課題

市場トレンドと課題の画像1
市場トレンドと課題の画像2

デジタルトランスフォーメーション(DX)の浸透およびリモートワークの拡大にともない、PCなどのIT機器に求められるデータ処理能力が増えています。従来はウェブサイトの閲覧が主な利用用途でしたが、現在は動画編集や出先で作業ができる薄型・軽量のIT機器が好まれるため、必要なスペックが変化しました。
一方でデータセンターではディープラーニングと機械学習の機能が必要不可欠となり、大量のデータを高速に処理することが求められています。
それ故、IT機器は小型かつ大容量のデータ処理能力が求められます。そこで、IT機器の処理能力を上げる「アクセラレータボード」が重要視されるようになりました。

現行のアクセラレータボードの課題

アクセラレータボードは分散型の高速処理が求められるため、最先端の半導体技術による高密度ICが使われ、微細化にともなう電源回路の低電圧と、搭載されるセル数の増加にともなう大電流化が進んでいます。
上記の理由から、電源ノイズを抑制し、かつ高負荷時にも電圧が安定することが重要です(→ 1 低リップルノイズ2 負荷変動に対する電圧変動安定性)。
また、大電流を使用するため、発熱により熱がこもる懸念があります。したがって、高密度ICの上面に熱効率のよい大型ヒートシンクが搭載できるように、周辺の電子部品の製品高さを合わせる必要があります。

キャパシタの役割

前述のとおり、昨今アクセラレータボードは「低電圧」「大電流」がトレンドです。それにともない、部品に関しては「大容量」「低ESR」「低背」の機能を持つ必要があります。

ムラタの高分子コンデンサECAS シリーズの特長

ムラタの高分子コンデンサは、低ESR、低インピーダンス、大容量という特長を有しています。
さらに、静電容量のDCバイアス特性がなく、温度特性も安定しているためリップル吸収、平滑、過渡応答性能に優れています。
そのため、各種電源回路の入出力段の平滑用途や、CPU周辺の負荷変動に対するバックアップ用途に最適です。
これにより、部品点数の削減や基板面積の縮小に貢献します。

使用回路例

下図のような回路でご使用いただけます。
ECASシリーズは低背部品であり、周辺の電子部品の製品高さを合わせることができます。

使用回路例の図

ECASシリーズを使用するメリット

1 低リップルノイズ

低ESR特性を有するECASシリーズは、リップルノイズ除去性能に優れています。

低ESRの図 【シミュレーション結果】

2 負荷変動に対する電圧変動安定性

大容量特性を有するECASシリーズは、電流量の大きなアプリケーションにおいて負荷側の変動に対する安定性に優れています。

タンタルコンデンサを用いた場合
ECASシリーズを用いた場合

他のコンデンサとの比較

1 タンタルコンデンサに対するメリット

低ESR

ECASシリーズはタンタルコンデンサに比べて低いESRであるため、より小さいリップルノイズを実現できます。

低ESRのグラフ

信頼性

ECASシリーズはタンタルコンデンサに比べて安定した信頼性を有しており、セットの安定した動作に貢献します。

信頼性のグラフ ※ 試験条件:高温負荷

2 MLCCに対するメリット

大容量による数量削減

ECASシリーズはMLCCに比べて大容量かつ電圧依存性がないため、多数のMLCCを使用しているアプリケーションにおいて員数削減、セットの小型化をすることができます。

Item トータル実効容量@12V 個数 トータル面積
ECAS 100uF/16V 100 1 31.39
MLCC 47uF/16V 99 9 72

温度変化・電圧変化に対する容量安定性

MLCCは直流電圧や温度が変化すると実効容量が変化します。
それに対しECASシリーズは、直流電圧や温度に対する容量変化がほとんどないため、安定した電源設計にご利用いただけます。

温度変化・電圧変化に対する容量安定性のグラフ1
温度変化・電圧変化に対する容量安定性のグラフ2

アプリケーションノート

アクセラレータ使用例のPDF資料もご用意しております。
以下よりダウンロードしてご活用ください。

アクセラレータボードのアプリケーションノート (PDF: 0.4 MB)