導電性高分子アルミ電解コンデンサIoT(UWB)の使用例

IoT(UWB)の市場トレンドと課題

IoT(UWB)の使用例のイメージ画像
市場トレンドと課題の画像

デジタルトランスフォーメーションおよびクラウドサービス拡大にともない、IoT※1デバイス、たとえば通信方式のひとつであるUWB※2無線通信が普及してきました。このUWB無線通信は、紛失防止を目的としたスマートタグやスマートキーといった高機能小型デバイスに搭載されています。
高度な位置測定性能とセキュリティ性能を持ち、今後も多くの分野で普及が見込まれるUWB無線通信は、データ送受信に通信負荷がかかるため、限られたスペースで十分な電力を引き出せる電源が必要です。そのため、UWB無線通信を使用する際の課題として、「通信負荷のピーク出力に適した蓄電デバイス(バッテリー)がない」という問題があります。さらに送受信時にピーク出力を要するためピーク出力に合わせて機器の電源を設計すると、「電源サイズが大きくなりすぎる」「コストが高くなってしまう」という課題もあります。

  • ※1IoT : Internet of Thingsの略。モノのインターネットを意味する。
  • ※2UWB : Ultra Wide Bandの略。超広帯域無線のことを指す。
ピーク出力に合わせて設計すると電源サイズが大きくなってしまう

また、コイン電池のような小型バッテリーでは、ピーク出力の実現が困難という課題があります。

電源サイズの小型化を優先すると、ピーク出力を実現できない

上記課題の解決策として、ECASシリーズをバッテリーと併用し、アシストすることが重要です。

ムラタの高分子コンデンサ ECAS シリーズの特長

ムラタの導電性高分子アルミ電解コンデンサ(ECASシリーズ)は、陽極に積層構造のアルミ箔、陰極に導電性高分子を使用しており、低背、低ESR、大容量という特長を有しています。
さらに、静電容量のDCバイアス特性がなく、温度特性も安定しているためリップル吸収、平滑、過渡応答性能に優れています。
そのため、各種電源回路の入出力段の平滑用途や、CPU周辺の負荷変動に対するバックアップ用途に最適です。
これにより、部品点数の削減や基板面積の縮小に貢献します。

使用回路例

下図のような回路でご使用いただけます。

電源のサイズがそのままで、ピーク出力を瞬間的にアシスト

ECASシリーズを使用するメリット

コイン電池(CR2032)を使用した場合の電池長寿命化

評価ボードを使用して、UWB通信(最大ピーク電流130mA、送信4回+受信2回)時の電池電圧を評価しました。電圧が1.4V以下まで低下すると通信動作が停止します。

電池(電池残量100%)
単独
電池単独のイメージ画像1
電池(電池残量100%)
+コンデンサ(ECAS_100uF)
電池+コンデンサのイメージ画像1

ECASと組み合わせることで通信時のピーク電流が抑えられ、電圧低下を小さくすることができます。

電池単独(コンデンサなし)

電池単独のイメージ画像2

電池+ECAS_100uF

電池+コンデンサのイメージ画像2

通信時の電圧低下を小さくし、電池利用率(DOD)60%⇒80%まで通信を可能にし、電池を約1.3倍長持ちさせることができます。

アプリケーションノート

IoT(UWB)の使用例のPDF資料もご用意しております。
以下よりダウンロードしてご活用ください。

IoT(UWB)のアプリケーションノート (PDF: 0.4 MB)