シリコンキャパシタ(シリコンコンデンサ)医療向けアプリケーション

ムラタは、カスタムの集積パッシブデバイス(IPD)を数多く提供してきた長年の経験をもとに、インプラント型(体内埋込型)医療機器でも多くの実績を積んできました。市場をリードする医療機器メーカー向けにも専用IPDを設計・提供しています。例えば、ペースメーカーや神経刺激装置などにおいて、IPDをアクティブ素子とともに積み重ねることで、より多くのシステムを統合でき、消費電流抑制や信頼性向上を実現しております。

IPDは、神経刺激装置、人工網膜、人工内耳インプラント、ペースメーカーなど、主にインプラント型医療システムにご使用いただいています。また、その機能性の高さから、医療モニタリング機器やカテーテルなどの検査機器にもご使用いただいております。

医療向けアプリケーションのイメージ画像

IPDを積み重ねることで完全に集積化された医療機器

医療向けカスタム製品

カスタムシリコンコンデンサ

静電容量、厚みを含む寸法、電極フィニッシング、梱包など、お客様のご要望に応じてシリコンキャパシタを設計することが可能です。ぜひご検討ください。

カスタムシリコンコンデンサのイメージ画像

カスタム集積パッシブデバイス(IPD)

お客様のシステムをより統合するために、ムラタは複数のパッシブ部品を1つのパッケージに集積することができます。これは、キャパシタアレイから、各種キャパシタ・抵抗・コネクタを組み込んだIPDまで実現できます。また、そのIPDを積み重ねていただくことで、パッシブ部品やアクティブ素子の間の距離を短くすることができ、機器内部の空間を確保したり、実装点を減らしたり、信頼性や性能を改善したりすることができます。

左右にスワイプ可能です 横持ちでご覧ください
カスタム集積パッシブデバイス(IPD)のイメージ画像1

上図は多数のパッシブ部品を2つのIPDで置き換え、同IPDがアクティブ素子と一緒に積み重ねられ、実装・モールドされた事例です。こうすることで平面方向・高さ方向のスペースを劇的に削減することがができ、システム全体としての集積度が上がり、小型化します。インプラント型医療機器においては、このシステム部の小型化により電池の大型化を実現でき、性能面でも改善を実現できます。

左右にスワイプ可能です 横持ちでご覧ください
カスタム集積パッシブデバイス(IPD)のイメージ画像2

上図は多数のパッシブ部品を3つのIPDで置き換え、基板の上に実装する事例です。この場合、IPDはアクティブ部品のより近くに実装することができます。

左右にスワイプ可能です 横持ちでご覧ください
カスタム集積パッシブデバイス(IPD)のイメージ画像3

上図は多数のパッシブ部品を3つのIPDで置き換え、基板の中に埋め込む事例です。この場合、IPDとアクティブダイの距離を短くすることができ、システムを高集積化、高性能化することができます。

医療向け標準品

医療グレードシリコンキャパシタ(MGSC)

MGSCシリーズは、インプラント型機器(ペースメーカーや除細動器)などの高信頼性の医療アプリケーションに適しています。MGSCは信頼性の点で最適化されており、バーンインテスト不要で、セラミックキャパシタよりも初期故障率が極めて低いです。
また、漏れ電流が非常に低いため、電池駆動の医療機器において、性能改善や駆動時間改善に貢献することができます。

主な特長
  • 高信頼性。
  • 超低背(100µm)。
  • 電圧、温度、経年変化に対する高い安定性。
  • Die to Die スタッキング。
  • 電極フィニッシングと実装:ワイヤボンディング実装に適したアルミニウムパッド。埋め込み実装に適した銅フィニッシングオプション。

医療グレード(MGSCシリーズ)以外のシリコンキャパシタが医療システムに使用されることがあります。各シリーズのシリコンキャパシタの特徴については、当社カタログをご確認ください。

埋め込みシリコンキャパシタ

ムラタのシリコンキャパシタは、100µm以下の低背形状と電極の銅(Cu)メッキ表面処理により、プリント回路基板(PCB)やラミネートに埋め込むことができます。埋込シリコンキャパシタは、基板上のスペースを削減すると同時に、電流ループの大幅な削減を可能にします。EMSCシリーズのような一部の標準シリコンキャパシタは埋め込み可能です。また、カスタム製品では特別設計により埋め込みも可能となります。

埋め込まれたシリコンキャパシタの断面図

画像を拡大