続いて、(2)ブラシレスモータのノイズ事例を紹介します。
ブラシレスモータの放射ノイズ事例として、サービスロボットを用いた放射ノイズ事例を紹介します。なおサービスロボットは、共用の柱上トランスなど公共配配電網にてAC電源が供給される場合があるため、ノイズ許容値はclass Bを適用しました。
ノイズ対策前の放射ノイズ評価結果です。
多くのロボットでは、30MHz~100MHz(この事例では200MHz)の周波数帯で放射ノイズが問題になりやすいと考えられます。
評価機器のモータは、ブラシレスモータが採用されていました。
ブラシレスモータを動作させるには、モータドライバ回路が必要となります。一般的にブラシレスモータのドライバ回路には、三相PWM制御回路が採用されています。
この制御回路は、各相あたり2つのスイッチング素子(計6個)で構成されており、各相がタイミングよくon/offすることで、モータに連続して電流を流します。
ロボットに限りませんが、モータドライバ回路は、スイッチング素子で構成されるため、スイッチングノイズが発生します。このスイッチングノイズがケーブルに伝導すると、ロボットで使用されるケーブルが絶縁被膜ケーブルでありシールドされていないため、ケーブルからノイズが空間に放射します。
また、モータ内の巻線コイルにもノイズが伝導するため、モータ本体からもノイズが放射します。
モータドライバ回路で発生したスイッチングノイズが、ケーブルやモータ本体に伝導し放射します。
この対策として、コネクタ直近にノイズフィルタを挿入します。ここで使うフィルタとしては30MHz~200MHz(~300MHz)で挿入損失がえられるものを選定します。
(例)BLM31KN471SN1やNFZシリーズ、BLT5BPTなど
ここで、モータの各ラインに挿入するフィルタの定格電流に注意する必要があります。モータの定常動作時の電流が1(A)であった場合、3~5倍の定格電流品を選定するのが望ましいです。
(理由)
モータが回転しているとき、何かしらの理由でロックした場合、瞬間的なスパイク電流が流れることがあります。このような瞬間電流が流れても、故障しない部品を選定する必要があります。
フィルタ挿入前後での放射ノイズを調べました。フィルタは、NFZ2HBM4R4SN10を使用しました。
フィルタを挿入することで、規格許容値に対し5dB以上のノイズマージンが確保できました。このように、ノイズの伝導経路にフィルタを使用することで効果的に放射ノイズを抑制することがでます。